gary_moore_87それほど熱心に追っかけていたワケではないけれど、その動向はいつも気になっていた。それがカナザワにとってのゲイリー・ムーア。まだ60歳にも満たないというのに、こんなに早く彼の訃報に接するとは…。どうやら、休暇で訪れていたスペインのホテルで、床に就いたまま朝には冷たくなっていたらしい…

ゲイリー・ムーアの名を知ったのは、高校時代に聴いたコロシアムIIが最初。火花を散らすようなKydのドン・エイリーとの掛け合いは、ジャズ・ロックというよりもハード・フュージョン、もしくは高度なハード・ロック・インストと言った方がシックリした。その後シン・リジィに復帰して『BLACK ROSE』を出すのだけれど、実はあの時、チョッと複雑な心境に。大物になっていたバンドに戻ることで出世するのは目に見えてたけれど、ゲイリー自身の音楽を進化させるには回り道に思えたからである。

案の定、シン・リジィからはすぐに離脱。再びソロ活動を始めた時は、結構期待したのを覚えている。それこそコージー・パウエルやドン・エイリーらと組んだりすれば、ジェフ・ベックを脅かす存在になれると思ったからだ。でも結局は分かりやすいハード・ロック路線を進むことになったわけで…。否定はしないけれど、あまり積極的に支持する気になれない。それが自分とゲイリーとの距離感になった。

近年はブルースにドップリだったようだけれど、ゲイリーって所詮イノヴェイターではなく、己のギター道を貫くピュアーなギタリストだったんだな。そういう意味では決して自らソロ・アクトとしてフロントに立つタイプではなく、優れたバンド・リーダー/プロデューサーの下で、音楽的自由を確保しながら、思う様ギターを弾くべきだったんだと思う。ハード・ロック・ギタリストとして日本での人気は高かったが、本来ゲイリーはもっと大きな可能性を持っていた。それを発揮する機会を持てぬまま、彼は夭折の人となってしまった気がする。

三途の川を渡ったら、もっともっと良い出会いを見つけてよ。それこそフィル・ライノットとは旧交を温める程度でいいから…。R.I.P.…