cars_011あの震災から約3ヶ月。復興の遅れには心が痛むばかりだし、政府の迷走ぶりには怒り心頭だったりするのだが、実は今になって自分にも思わぬトコロに影響が出てきた。

実は年末で3度目の車検を迎えるマイ・カー。その頃には12万km近く走っている計算になるので、こりゃあ乗り換えか?と思っていたのだが、まだ半年あるし…と悠長に構えていた。ところがディーラーによると、部品工場の被災で車の製造が追いつかないとか。車検前の納車を確実にするには、7月中の発注が必要らしい。発表されたばかりのプリウスα(ステーション・ワゴン・タイプ)なんて納車1年待ちだそうだから、余程のコダワリがないと購入意欲が維持できそうもない。でも当然ながら、しがない音楽ライター稼業では懐に余裕などなく…。うぅ〜、アタマ痛いっス

…というワケで、一時はトッド・ラングレン一派とくっついて The New Cars と称していた The Carsが、本来の中心人物リック・オケイセックの呼びかけでオリジナル再結成。もちろん、2000年に亡くなったベンジャミン・オール以外のメンバーで、というコトになるが、やはりオケイセック不在ではカーズであってカーズでない。ベンの歌声がないのは寂しいけれど、結局カーズはオケイセックのバンドなのだ (The New Carsも良かったけどネ)。

ラスト・アルバム『DOOR TO DOOR』から数えると、実に24年ぶり。ドアタマのチープなテクノ・サウンドは、おそらくオケセックの確信犯的仕業だろう。でも作品全編を通して聴いてみても、ビックリするほど変わっていない。そうかといって懐メロっぽさや、シミッ垂れたノスタルジアとはまったく無縁。そのドライで爬虫類的な音の感触こそカーズの持ち味で、それは四半世紀を隔てた今も充分に有効なのだった。

ただし今回はテンポラリーなリユニオンであり、次作の予定もなければ、ツアーも組まれていない。それでもずっと再結成に後ろ向きだったオケイセックは、コレで確かな手応えを得たと思う。願わくばこの復活を期に、断続的なプロジェクトとしてでも活動を続けて欲しいもの。新車より、手入れの効いたユーズド・カーの方が魅力的に映ることだってある、というコトで…