top_40th書き物だけでは喰っていけず、止むなくアルバイトしている音楽ライターさんが少なくない中、幸せなことにカナザワは、この夏休み進行でアップアップの毎日 締切日の関係でお断りせざるを得ない仕事も出てきている。でも「スケジュールは何とか調整するので、是非ともカナザワさんに書いて欲しくて…」なんて頼まれれば、コチラも意気に感じてしまって、何とか受けてあげたくなる。

かくして書くことになったのが、8月発売の某誌で大特集が組まれるタワー・オブ・パワー(以下TOP)のアーティクル。仰せつかったのはTOPホーンズのセッション・ワークに関するもので、その特徴や魅力を分析しつつ、代表的参加作を紹介していく内容だった。ジャケット写真を集める関係で、参加作の選盤は早くに済ませていたが、原稿自体は今日になって何とか脱稿。

カナザワもTOPは好きだが、オリジナル作を押えるのがせいぜいで、年中行事のようになった来日公演も数えるほどしか行ってない。そもそも彼らの参加作もTOP目的に蒐集したわけではなく、クレジット買いを重ねる中に彼らもいた、という感じ。それだけに、熱狂的ファンが多いTOPを自分が書いていいものか?と少し逡巡してみたりも。でもそう言う立場だからこそ見えてくるモノもあるはずで、自分では自分にしか書けない原稿を心掛けたつもりである。ま、あとは読んでのお楽しみ、ということで。

とまれ、フィルモアで収録されたこの結成40周年記念ライヴ。グレッグ・アダムス(tr)やリチャード・エリオット(sax)、カーメン・グリロ(g)、チェスター・トンプソン(organ)にエリス・ホール(vo)など、歴代メンバーが続々登場。ゲストにはサム・ムーアも現れ、まさに一大イベントと化している。でもホントに凄いのは、40年の活動で何度メンバー交替に見舞われても、TOPサウンド自体はまったくブレなかったこと。しかも流行に目配りせず、愚直なまでにファンクひと筋を貫いた。だからこそ、ファンを惹き付けて止まないのだろう。あのローリング・ストーンズだって、ファンによって好みの時期が割れるもの。でもTOPの場合は、誰もが迷走期を含めて丸ごと愛してしまっている。そうした意味では、TOPってストーンズ以上の存在と言えるのかも。