rick_springfield_bestリック・スプリングフィールド@Billboard Live Tokyo の2nd Stageに参戦。<Jesse's Girl>のヒットからリアルタイムに接してきた人だけれど、今までライヴを見たことが無く、クラブ系の小箱で演るようになってから一度観たいと思っていた。前回のジャパン・ツアーもスケジュールの都合で行けなかったのだが、レコード会社の担当者やビルボードの知り合いから。口々に「メチャクチャ良かった」と聞かされ、次回は必ず!と心にキメていた。特に、自分以上に相方の鼻息が荒く… そういや、実家から持ってきたレコードの中に、結構リックのアルバムが入っていたような…
で、実際にステージを観た感想は、ホントにビックリ これほどまでにバリバリにロッカーしているとは  俳優としても活躍する端正な2枚目シンガーというイメージだったから、バリッとスマートにキメるのだと思っていたが然に非ず。ジーンズにヨレたタンクトップ、乱れたロン毛、腕にはタトゥーというワイルドな出立ちで、ギンギンにギターを掻き鳴らす。女性ファンから貰ったバラの花束を振り回し、それを弦に叩き付けたりするから、当然ステージには花ビラが飛び散って…。予想以上の長身というコトもあって、そうした動きがイチイチ様になると言うか、何をやってもスターらしい華がある。

<Who Killed R&R>でスタートして<Affair Of The Heart>、そして怒濤のヒット・メドレーと、MCもなく一気に畳み掛けるステージ。追っ掛け組も多そうなオーディエンスは、ノッケから総立ちである。ようやくマイクに向けて挨拶し、客席をひとしきり盛り上げておいて、ポロッと"Pretty tired"などと。ありゃりゃ、正直なヒトだ。でもそこがまたウケるんだろうな。テーブルに飛び移ってファンに囲まれて歌ったり、女性ファンが差し出すタオルで汗を拭いて返したり、客のグラスを取り上げて飲み干してしまったり、とにかく盛り上げ方が物凄く巧み。ちょうど誕生日直前で、Happy Birthdayの合唱が沸き起こる場面もあった。

前半は日替わりメニューなどもあったようだが、最近作のタイトル曲<Venus In Overdrive>以降は、ほぼ固定セット。<Love Is Alright Tonite>、<Don't Talk To Strangers>、<Love Somebody>、<State Of The Heart>、そして<Jessie's Girl>と、お馴染みのヒット・ナンバーを矢継ぎ早に繰り出す。ほぼ1時間のセットは、Billboard出演者の中でも短い部類に入るが、その濃密さは破格で、なかなかの満足感。バック・バンドも非常にタイトにまとまっていると思ったら、ベースはマット・ビソネット(元デイヴ・リー・ロス・バンド)だった。

アンコールで登場したロックは上半身裸で、これまたムキムキの肉体美。相当に鍛え込んでると思われ、とても62歳とは思えない。お陰で目をウルウルさせた相方に、睨みつけられてしまったヨ そして彼は<Kristina>を歌って、颯爽と引き上げて行った。

確かにヒットから縁遠くなってしまったリックだが、単に現役感があるというのではなく、今もロック・ミュージシャンとしての風格を保っている。その野性味は、バリバリのヒット・メイカーだった頃にはあまり感じられなかったモノ。そうした意味では、パブリック・イメージの殻を脱ぎ捨ててからの方が、生のステージの醍醐味を解き放っているのかも知れない。こりゃあ、感激のあまりスッカリ舞い上がっている相方にせがまれずとも、もう一回観たいところだ。