mark_mcmillen_keenyoアートワークの差し換えやら何やらで日本発売が延び延びになっていたマーク・マクミレンのサード・アルバム『KEENYO』が、いよいよリリース間近。自分もようやくライナーを脱稿した。9月中旬のリリース日は、もう少し遅れそうな気配だけれど、ボビー・コールドウェルとの来日には間に合いそうである。

そう、マークはもう20年近くもボビーのバックを務めていて、近年はずっとバンド・マスターを務める御仁。ボビーの95年作『SOUL SURVIVOR』の<I Give In>や、05年作『PERFECT ISLAND NIGHTS』の<Call Me Up>は、ボビーとマークの共作だ。最近のステージでは、<At Last>でソロ・ヴォーカルを取る機会を与えられ、持ち前のソウルフルな歌声を披露。本作収録の<Strut My Stuff>はボビー御大に気に入られ、最近のライヴ・レパートリーに盛り込まれている。本国の出張ライヴなどでは、演奏にハコバンを使うことはあっても、マークだけは帯同もしくは先乗りさせて、バンドをまとめさせている。

そんなマークのソロ・アルバムは、Cool Soundから出た『MARK McMILLEN』から約9年ぶり。当然内容的は今作の方が充実している。実は2年ほど前に一旦完成していたそうだが、聴き直しているうちにアチコチ不満が出てきて、8〜9曲は録り直したとか。そりゃあ〜、時間掛かるわな

特徴的なのは、打ち込みが生演奏に変わったこと。
「ミュージシャンがプレイして楽しいように、またオーディエンスが聴いて興奮するように、僕はあくまでライヴ・サウンドにこだわった。そして、作品に生きた感情や活力を吹き込むことができるのは、やはり生身のプレイヤーであって、打ち込みのマシーンではないと確信したよ。僕が書いた曲をこんな風に演奏してくれるんだ!と、参加ミュージシャンたちのスキルに感動させられっぱなしだった。やっぱり本物のサウンドじゃなきゃダメだね」
とマーク。

その主な参加メンバーは、新旧ボビー・バンドの面々が中心だ。だがひとり、意外な大物が参加している。ドラムのダン・ゴットリーブ、初期パット・メセニー・グループのメンバーで、その後はエレメンツでも活躍していた実力派である。彼とマークの出会いについては、どうぞ解説をご覧あれ。ついでにマークの愛娘や愛妻も、ちょこっと制作に関わっている。『KEENYO(キーニョ)』というタイトルは、ブラジル人の友人が彼につけたニックネーム。

あ、そうそう、日本盤には自主盤以降に完成した新曲2曲がボーナス追加されます。


Mark McMillen: Mark McMillen

Mark McMillen: It