marlena_shaw_73名盤『WHO IS THIS BITCH, ANYWAY?』(75年)を筆頭に、5枚のアルバムをブルーノートに吹き込んだマリーナ・ショウ。今回リイシューされた『FROM THE DEPTHS OF MY SOUL』は、73年に発表されたブルーノートでの第2作である。ず〜っとCDがなかったようだけれど、もしかしてこの SoulMusic.com盤が初CD化??

CTIの傍系レーベル:Kuduと同じように、洗練されたソウル・ジャズの好盤が揃うブルーノート "LA-BN"シリーズにあって、ディーヴァ的存在となっていたマリーナ。コーネル・デュプリー(g)、ヒュー・マクラッケン(g)、ロン・カーター(b)、ウィルバー・バスコム(b)、グラディ・テイト(ds)、e.t.c…というニューヨークの敏腕たちが後ろを固める陣容は、『WHO IS THIS BITCH, ANYWAY?』前哨戦、そのニューヨーク版を期待させる。が、しかし、さすがにココではまだ方向性が定まっておらず、ちょっぴり玉石混淆模様。マリーナのヴォーカルは流石の安定感でも、楽曲的に少々に乗り切れてない面があるようだ。

収録曲には、同年にロバータ・フラックの<やさしく歌って>を当てたチャールズ・フォックス&ノーマン・ギンベルの提供曲<The Feeling's Good>と<Time For Me To Go>などがあるが、その多くはカヴァー曲で、ボブ・ドロウ<Bad For Now>、アラン・オデイ<Easy Evil>、ランディ・エデルマン<The Laughter And The Tears>と<Waterfall>、デヴィッド・フォスターがいたスカイラークのトップ10ヒット<Wildflower>など、ちょっと意外なセレクトが並ぶ。そこで特に感じるのは、当時ヒットしていたポップ・ソングへの素早いアプローチと、ナンシー・ウィルソンへの意識。実際、オデイの<Easy Evil>、エデルマン作<The Laughter And The Tears>と、ミュージカル『JESUS CHRIST SUPERSTAR』からの<I Know I Love Him>は、ナンシーが同じ頃に取り上げていた曲だ。しかもあちらはドン・セベスキーのアレンジで、クルセイダーズがサポートしていた。

しかしながら、上品で清楚さが漂うナンシーのヴォーカルに対し、マリーナは南部出身らしいR&Bフィールこそ最大の魅力。ゴージャスなオーケストラをバックに おしとやかに歌うタイプじゃないのだな。でもその一方で、確実に『WHO IS THIS BITCH, ANYWAY?』に繋がる音もある。つまりココでの試行錯誤が、方向性を決定づけることになったと言えるワケで…。そうした意味で、実に興味深い一枚なのだ。