freeezFreeezと聞いて<I.O.U.>を思い出すのは、普通の音楽ファン。でも、黙ってコチラを差し出す輩は、きっと同類。是非、お友達になりませう そう、80'sブリティッシュ・ジャズ・ファンクの隠れ名盤、Freeezのファーストが、ようやくCD化されたのダッ

<I.O.U.>のテクノ掛かったダンス・ポップ・サウンドしか知らない人は、俄に信じられないかもしれないが、初期Freeezは、レヴェル42やシャカタク、メゾフォルテ、初期インコグニートなどに比較すべき、ファンキー・フュージョン・スタイルの4人組だった。いわゆる歌モノはタイトル曲のみに留まるが、スキャットやコーラスでの導入には積極的で、そうしたタイプの楽曲は若干ラー・バンド的。打ち込みを駆使してそこを展開〜進化させていった先が、<I.O.U.>になのだろう。

でもこのファースト・アルバムの頃は、ファンキーなグルーヴを押し出した生演奏のダイナミズムこそ真骨頂。中核のジョン・ロッカは元々パーカッション奏者で、バンドの編成もkyd+Bass+Drums+Percと変則的。ギターやホーン・セクションはサポート・メンバーで補っている。それだけリズム・アンサンブルに熱心なワケだが、そのソリッドなビートに対応した上物も実に良く引き締まっていて…。個人的には、レヴェル42やシャカタクのどのアルバムよりも強い愛着があって、メゾフォルテの2作目と同じくらい聴き倒した。

しかもその初CD化は、9曲収録のオリジナル・アルバムに対し、何と2枚組30曲収録の超拡大版。この手のバンドの追う時に12インチ盤が外せないことは、往年のジャズ・ファンク・ファンなら先刻ご存知と思うが、まさにそれを実践していて、アーリー・シングルまでシッカリ押さえている。英Cherry Red 、ナイス・ジョブ。