Level42-4引き続きアース・ウインド&ファイアー・モード。『ALL 'N' ALL』にドップリ浸かっていたので、デオダートでも書こうと思ったが、以前のエントリーにちょうどイイのがあったので、今日はちょっと忘れられがちなメンバーのプロデュース・ワークをピックアップすることにした。ネタはレヴェル42のサード・アルバム(初期作品集『EARLY TAPES』を含めると4作目)。

日本では『サン・ゴーズ・ダウン』という邦題でご記憶の方も多いであろう、この83年作。プロデュースを担ったのはヴァーダイン・ホワイトとラリー・ダンの2人で、1曲だけウォーリー・バダロウが手掛けている。次作からはこのバダロウがメイン・プロデューサーとなり、“5人目のメンバー”と言われるほどの貢献でバンドにヒット曲をもたらしていくのだから、ヴァーダインやラリー・ダンは分が悪くなるワケだ。E.W.&F.で言えば、ちょうど活動停止前の最終作『ELECTRIC UNIVERSE』の前後。既にフィリップ・ベイリーはソロ・アルバムを出していたような気がする。そんなタイミングだから、E.W.&F.の分裂状態を目の当たりにさせられたような作品でもあった。

いま改めて聴くと、後続のヒット作『WORLD MACHINE』や『RUNNNING IN THE FAMILY』の前哨戦的な部分が少なくないのだけれど、元々が如何にも英国然とした、ヒネリを効かせた作風のバンド。なのに最初はヴァーダインやラリーのイメージで接したから、やたらと地味で退屈に聴こえたのを覚えている。初期作のように、マーク・キングがバリバリのスラップで興奮させてくれることもなかった。

でもそこがきっと、ヴァーダインとラリーの狙いだったのだな。要するに演奏主体のバンドから、歌モノへのギア・チェンジを任されたわけである。確かにセールス的には成功しなかったものの、本作がなかったら、後の成功もどうなっていたか分からない。現在もプレイしているライヴ定番曲もいくつかあって、その重要度が分かろうというものだ。

ちなみに彼ら2人は、ソングライティングで1曲手を貸している他はプロデュースに専念。代わりに同僚アンドリュー・ウールフォークが1曲サックスをブロウしている。作家陣には<Getaway>を書いたビロイド・テイラーや、作詞家アリー・ウィリスの名も。