maruyama_keiko和製ボッサの大名曲<どうぞこのまま>で知られる丸山圭子の初期4作とベスト盤の併せて5枚が、先月末にメデタく紙ジャケ化。ベスト盤までゲットするかどうか一瞬だけ迷って、すぐ全買いしました…

この『裸足で誘って』は、78年に発表された4作目。当時の彼女の憧れだったL.A.録音盤で、かのA&Mスタジオにスコット・エドワーズ(b)、スティーヴ・フォアマン(perc)、ウォーターズ(back vo)、デヴィッド・キャンベル(strings arr)などを迎えて録られている。サウンド・プロデュースの佐藤準(kyd/当時のご主人でも)や水谷公生(g)、ロバート・ブリル(ds)らは、日本から一緒に渡米。ブリルはCharとの活動で有名だが、その後帰国して、映画『トップガン』の愛のテーマとして全米No1ヒットになった<愛は吐息のように(Take My Breath Away)>のベルリンに加入している。

それだけにソフィスティケイトされたサウンドが聴ける一枚で、<言葉遊び>や<TABAKO SMOKIN'>あたりは、まさしくメルティなシティ・ポップ仕様。RCサクセションでお馴染み、仲井戸麗市作曲による<月夜のHIGHWAY-DRIVE>なんて好バラードも入っている。<どうぞこのまま>を収録した『黄昏めもりい』のように、本来は和製フォーク的な落ち着いた佇まいを垣間見せるシンガー・ソングライター:丸山圭子だけれど、さすがに西海岸で作ったとなれば、仕上がりは当然爽やかに。当時はちょうど新婚ホヤホヤだったというタイミングも、きっとそれに寄与しているに違いない。

ちなみに、マイケル・フランクスのライナーを執筆中であるカナザワとしては、どうしても頭の中は<アントニオの歌>に向かってしまうのだけれど、77年に日本で大当たりしたこの曲の下地には、きっと前年にヒットした<どうぞこのままが>があったはず。そしてそのボサ好き日本人のルーツには、おそらく60年代後半から始まったセルジオ・メンデス&ブラジル'66のブームがあったのだろう。哀愁のメロディにアンニュイな空気感、エキゾティックな異国情緒や甘い歌声…。<どうぞこのままが>の完成ヴァージョンが、何と夜中の12時過ぎに録られた32テイク目だったというエピソードも、彼女自身のセルフ・ライナーで語られている。