allman_studio_live凄いモノを聴いてしまった…。ちょうど41年前の8月に録られた、オリジナル・ラインナップによるオールマン・ブラザーズのスタジオ・ライヴ。名盤『FILLMORE EAST LIVE』もタジタジになってしまうような、臨場感に言葉を失う。デュエインのブッ飛び方も、まるで尋常じゃない。

このところ、新旧ライヴ音源乱発状態のオールマンなので、スタジオ新作でも出ない限り、完全無視をキメ込んでいたカナザワだが、「これはスゴい」という評判と、コスト・パフォーマンスの良さに釣られてゲット。何せ、デュエインの悲運な事故が起きる直前、約2ヶ月前のライヴということで、それだけでも貴重なのだが、バンドの状態がすこぶる良いのだ。デュエインとディッキー・ベッツの2本のギターも、クッキリ左右に振られていて聴きやすいし、リズム隊のグルーヴも克明に刻まれている。ラジオ向けのスタジオ・ライヴなので、冗漫さは微塵もなく、普段よりも若干短めの尺で中身を濃縮。個人的には、フィルモアよりも好きになりそう…

とにかく、最高の聴きモノは、デュエインのスライド・ギターの豪快さだ。血縁であり、現メンバーでもあるデレク・トラックも確かに凄いけれど、内から沸き上がって来るモノの温度が違うというか、まだまだ格が違うというか。もっともこの時、デュエインだってまだ20代半ばだったんだけどね。

ブルースどっぷりのイメージがあるオールマンだけど、<In Memory Of Elizabeth Reed>あたりのインスト曲を聞くと、意外にジャズっぽいセンスを持っていたことが分かる。デレク・トラックスしか知らないような若いファンにもオススメしやすい、まさに隠れたお宝的ライヴ盤だ。