yoshino_fujimal先週のライヴ5連チャン中は、さすがに仕事のペースが若干落ちていたカナザワ。でも今日からは、もう全開モード。タワー・レコード/Light Mellow's Picks から出る松下誠3タイトルに続き、今はヴィヴィド・サウンド/Light Mellow's Choice発の芳野藤丸2タイトルの解説を執筆中。誠さんと藤丸さんのインタビュー取材の模様は、すでに こちらでも簡単に紹介しているので、今日は藤丸さんソロについて少々。

藤丸のソロ活動は、山下達郎の育ての親である小杉理宇造に、「何か形になることをやりたい」と相談を持ち掛けたところから始まったとか。当時の小杉は、ムーン・レコードを立ち上げる準備をしていた頃で、小杉はダンディな藤丸を新レーベルのイメージにぴったりハマると踏んだようだ。

また小杉は、藤丸に松下誠の『FIRST LIGHT』を聴かせ、藤丸はその緻密な音に魅せられた。当時松下はスタジオ・シーンでメキメキと頭角を現し、その評判は藤丸にも届いていた。そこで藤丸は、小杉に「自分のアルバムを作るなら、松下と一緒に演ってみたい」と頼んでいたという。そうしたところ、あるレコーディングで偶然2人が出くわして…。そう、AB'Sの歴史は、この時、藤丸が松下をナンパしたところからスタートするのだ。

また、このとき藤丸は、もうリズム隊には渡辺直樹(b)と岡本郭男(ds)を起用するコトを決めていた。2人と藤丸の付き合いは古く、実は彼らを新田一郎に紹介したのも藤丸だったという。つまり彼は、スペクトラム誕生の陰の立役者でもあったのだ。そして、このアルバムで、AB'Sのメンバーが勢揃い。そのコンビネーションの良さに、メンバー自身やスタッフが驚愕し、本格的にバンド化が図られるのである。

このあたりの詳しい経緯はライナーにて。