rival_sons大晦日。とにかく今年は、ライター生活丸14年で一番忙しくさせて頂いた。斜陽著しい音楽レコード界にあって、これはとても有難いコトです。自分のようなカタログ系ライターがそんな状態ということは、やはりエルダー・マーケットを狙っての再発モノが充実していた、ということでしょう。

そこで今年は再発モノのランキングでも作って締めようか、と思ったが、自分で自分の関わった仕事にランキングつけるような気がしてきてヤメにした。新譜も良作は少なくなかったが、凄い名盤というのはほとんどなく、全体的に小粒だったと思う。結局心に残ったのは、ドナルド・フェイゲンとかライオネル・リッチー、ドン・フェルダー、ジョー・ウォルシュあたり。和モノでは一十三十一ちゃん。まぁ、個人的にはずっとジャンク・フジヤマをフォローし続けた1年でもあったかな?

CDの売上げが14年ぶりに上昇に転じた、なんて嬉しいニュースも、実はぬか喜びで、蓋を開けたらAKBとSKE、嵐あたりのアイドル連中がシングル・チャートを独占。なんだ、音楽売ってるんじゃなくて、キャラ勝負かよ でもアイドルは昔からいたワケで、あるジェネレーションにとっては必要な存在だから、彼女たちを責めるつもりはない。むしろ最悪なのは、一極集中するメディアの方。一昨日のCROSSOVER NIGHTのように、大人顔負けのスキルを持つティーンエイジャーだってシッカリと育ってきているのだ。

その上で、今夜の紅白。部屋を片付けたり、年越し蕎麦を食したりしながら断片的に観ていたが、やっぱり圧巻だったのは美輪さまの<ヨイトマケの歌>や矢沢栄吉なんだな。それにプリ・プリもハジケていて良かったし。結局、AKBや嵐 目的のお子ちゃまたちが、ああしたのを観て何かを感じ、自分の音楽観を拡げていくキッカケになれば、それでいい。口パクに騙されている自分に気づき、生パフォーマンスの躍動感や表現に何かを感じて欲しいのだ。かつてのMTVが音楽からイマジネーションを奪ったように、行き過ぎたアイドル崇拝は音楽文化の将来に暗い影を与える。ベテランとアイドルを果敢に組み合わせた今年の紅白には、そんな危機感を払拭しようとする意図を感じた。

…というワケで、今年最後に耳にしたCDは、いまロック界で最も注目を集める新人バンド、ライヴァル・サンズ。このメジャーでの2nd(通算3作目)は、既にUKロック・チャートでNo.1を獲得し、日本でも今月から売り出されたばかり。シングル曲<Keep on Swinging>はレッド・ツェッペリンとフリーが束になって掛かってきたみたいで、ブリティッシュ・ロックがルーツのカナザワは、FMで聴いてイチコロになりました。個人的には、ぶっちゃけガンズやレニー・クラヴィッツ以上。

アルバムを聴くと、ストーンズやドアーズみたいなところもあるし、L.A.のバンドらしいアコースティック・テイストを醸し出したりもする。これもツェッペリン経由ですかね? いずれにせよ、ハード・ロック一辺倒ではなく、サイケだったりブルースだったりウエストコーストだったり、いろんな音楽要素を詰め込んだ上でのハード・ロック。そこが純粋培養が進んだ90年代以降のメタル・バンドとの大きな違いだろう。60〜70年代のハード・ロック・バンドというのは、ほんとにミクスチャーだったんだ それを今に実践するのが、このライヴァル・サンズ。このバンドの深みは、 その手のクラシック・ロックに造詣の深い世代の方が直感的に理解できると思うぞ。