spectrum_1ここ2〜3日、和製アース・ウインド&ファイアーとも謳われたスペクトラムの1〜4作目について、アレコレと。久々にジックリ聴き込んでいるが、今も彼らに迫るグループが出て来てないほど、イカシた連中だったと思う。

ただ、中世の騎士のようなコスチュームと、踊りながら楽器をクルクル回すド派手なパフォーマンス、ギャグ絡みの演出などで、一部から要らぬ批判を浴びたのも確か。でもそのサウンドを聴けば、相当の手練たちが集まっていたことはすぐに分かるワケで。例えばマライアなども、当時はかなりアブナいメイクでステージを務めたりしていた。でも連中は大して売れなかったから、そうした批判を免れたのだろう。でもスペクトラムのバックにいるのは、サザンオールスターズを売り出したアミューズ。メディアへの露出が多かったのも、マネージメントの力が大きかったのだと思う。

結成当時のアイディアでグループが動いていたのは、多分最初の2枚だけ。そこで粗方やりたいことをやり尽くし、3作目では、壮大な組曲や超絶技巧が必要なナンバーを繰り出して、グループの真価を世に問うた。そしてソロ楽曲を寄せ集めたような4作目とギャグ満載の5作目で、バンドの分裂を露呈。約2年あまりで5枚のアルバムを出し、綺麗な散り際を見せて解散した。6枚目は武道館でのファイナル・ステージを収めたライヴ・アルバム。実際は4〜5作目は同時期に作られており、その時には解散を決めていたという。まさに、和製アース・ウインド&ファイアーをやるんだ!というコンセプトのコンセプトの下に生まれ、その目的を見事に果たして散った名グループだった。

もちろん音楽的には、シカゴやブラッド・スウェット&ティアーズ、チェイス、アヴェレージ・ホワイト・バンド、それにブレッカー・ブラザーズあたりの影響も見逃せない。でも、アース・ウインド&ファイアーがいなければ、スペクトラムも存在しなかったのは間違いない。

何故、いまスペクトラムなのかは、近日中に情報が出るはず。ちなみに、遅れていたAB'Sの紙ジャケ/リマスター再発は、4月10日発売がアナウンスされました。