skool_boyz今日は夜明け前からガッツリ執筆に集中してライナーを脱稿し、午後からは神谷町〜乃木坂〜新宿三丁目と廻って、打ち合わせだの顔合わせだのミーティング兼懇親会だの…。サスガにちとくたびれたが、いい出会いがあったり、新たな企画が出たりして、なかなか良い一日になった。ま、当面ノンビリできなそうだけど、しがない音楽ライター風情がこれだけ忙しくしていられるのは、とてもありがたいことです(感謝

さて、脱稿したのは、89年代終盤からのブラック・ミュージック・シーンを席巻したレトロ・ヌーヴォーの旗頭バイ・オール・ミーンズの前身として知られるスクール・ボーイズの1st。ジェラルド・アルストン(元マンハッタンズ)や名門テンプテーションズ、新人ジーン・ライスなどを手掛けた好プロデューサー、スタン・シェパードがその中心人物である。

ただその音は、バイ・オール・ミーンズのようなオーセンティックなソウル・ヴォーカル物ではなく、結構軽くてアーバン・ポップ。ちょっとデバージっぽくもあるかな? 豪快なファンク・チューンがあったり、インスト主体のファンキー・ジャム、何と早くもラップに挑戦してみたりと、かなり多彩だ。でも半数の曲はミディアム〜スロウ系で、シングルに切られてスマッシュ・ヒットした2曲もまったり系。それに続いて2ndアルバムから、名バラード<Before You Go>が生まれたワケだ。

そして実はこのスタンと、メンバーで弟のビリー・シェパードの父親は、シカゴの伝説的レーベルVee Jayの元プロデューサー。シャイ・ライツやデルズ、バリー・ホワイト、カール・カールトン、レオン・ヘイウッド、ステファニー・ミルズ、コモドアーズ、ラヴ・アンリミテッド・オーケストラ等のデビューや初期キャリアに立ち会い、スタンはそれを目の当たりにしながら育ったらしい。

更にスタンは、このスクール・ボーイズの前に、フレイヴァ、リヴィン・プルーフ(デトロイトの5人組とは同名異グループ)、トリプルS・コネクションとしてアルバムを出している。だがこの3つのヴォーカル・トリオ、実は名義が変わっただけで、顔ぶれはずっと一緒。相方2人は双子のライス兄弟である。で、トリプルS・コネクションのサウンド面を仕切ったのがチャウンシー・マシューズ。ここでスタンはライス兄弟からチャウンシーに乗り換え、弟ビリーを加えてスクール・ボーイズを組んだ、というのが大まかな流れだ。そして切られたライス兄弟は、しばらくしてティト・ジャクソンのプロデュースでスティーヴン&スターリングとしてデビューしている。

ちなみに、このスクール・ボーイズの1stは、彼ら自身と、ジャーメイン・ジャクソンが世に出したスイッチのメンバー、グレッグ・ウィリアムス。バイ・オール・ミーンズの中核ジミー・ヴァーナーとリン・ロデリックの愛娘が、先にデビューして話題になったエル・ヴァーナー。いやいや、彼らのファミリー・トゥリーは延々と広がって行くようで…。

ま、その先の詳細は、ライナーをご覧あれ。