seaside_lovers少し涼やかになれる音を、と思って目についたのが、先月リイシューされた【Sound Image Series】の1枚である本作『SEASIDE LOVERS』(83年)。若き日の3人の鍵盤の巨匠たちが、それぞれ3曲ずつ分担し、それぞれ新曲を披露するオムニバス作である(共演はナシ)。

このシリーズは、元々78〜79年に作られた『PACIFIC』(細野晴臣、鈴木茂、山下達郎)、『NEW YORK』(秋山一将、大村憲司、鈴木 茂、竹田和夫、松木恒秀、松原正樹、水谷公生、矢島賢)、『エーゲ海』(細野 晴臣、石川 鷹彦、松任谷 正隆)という3作品が元になっていて。そのうち『PACIFIC』はYMO準備中だった細野がプレYMO的な音を聴かせたり、珍しく山下達郎がインスト的な楽曲を作ったりして後年注目を集め、『NEW YORK』はフュージョン全盛期に気鋭のギタリストを大集結させたことで話題になった。

この3作に、同時期に同じディレクターの下で制作された坂本龍一&カクトウギ・セッション『SUMMER NERVES』を追加。更に、少し間を置いて続編的に誕生したのが、本作『SEASIDE LOVERS』だった。集められた3人のうち、井上鑑はシリーズ初参加。佐藤は『PACIFIC』に一人のミュージシャンとして参加している。

内容の詳細は、 ソニー・ミュージックのサイト【OTONANO】にシリーズ及びアルバム解説を書かせて戴いたので、そちらを参照。ムシ暑い今日のような日には、一服の清涼剤となるサウンド・シャワーを楽しんで…。