hamish_stuart丸の内コットン・クラブでヘイミッシュ・スチュアート・バンド feat. ジム・マレン、ウィル・リー、イアン・トーマス & グラハム・ハーヴィー、2nd Show。ホントは書きモノに専念しないといけない状況なのだが、この顔ぶれにはご縁のある人が多く、ヘイミッシュのこのライヴ盤(00年録音)とウィル・リー最新作、それにアヴェレイジ・ホワイト・バンドがプロデュースしたモリッシー・マレン『UP』のライナーを書かせて戴いてる。なので、コレは見ておかないと、という気持ちが強かったのだ。

今日は4daysの4日目2nd、つまり最終公演というコトで、シートも9割りがた満杯。メンバーも超リラックス・ムードで、軽口を叩きながらステージに上がる。すると、ウィルが派手なストライプのシャツでキメているのに対し、メインのヘイミッシュはノータイのジャケット姿で、何処かくたびれたサラリーマン風。何だかなぁ〜、と思っているうちに、ネッド・ドヒニーと共作した<Whatcha Gonna Do For Me>で演奏が始まった。

アヴェレージに比べると少々ユルい感じだが、そのナチュラルな感じが美味。ヘイミッシュのヴォーカルも健在で、なかなか味のあるファルセットを聴かせる。そりゃー若い頃に比べると、ハイトーンなど少々キツそうなトコロもあったが、まぁそれほど気にならないレヴェル。ウィル・リーとイアン・トーマスのリズム隊も、俄コンビと思えぬグルーヴでヘイミッシュを盛り立てる。セットの中心はアヴェレイジ時代の代表曲だが、歌モノは基本的にヘイミッシュが歌っていたナンバー。アラン・ゴーリーの曲はスルーしている。そこに<Cherry Blossom Time>と<Love And Learn>という新曲を追加。<If It’s Magic>はスティーヴィー・ワンダーのカヴァーだ。

バンド内の雰囲気も良好で、メンバーそれぞれに笑みを浮かべながらプレイしている。曲間で誰かが<She Loves You>を歌い始めたら、そのまま2コーラスくらい演ってしまったり。特に年長であるジム・マレンが、やたらニコニコしていたのが印象的で…。ジムのライヴは、故テリー・キャリアや先のブルーイのソロ・ライヴなどで数回観ているが、いつもは仏頂面で“イブシ銀の職人”といった風情だから、オーディエンスに向けて手を振って愛想を振りまく姿は、かなり意外に映った。もちろん滑らかな親指ピッキングは今宵も絶好調。甘美なトーンで艶やかなフレーズを繰り出していた。またラストの<Person TO Perosn>は、後半ジャム風に展開するのだが、ウィルが “ヘイミシュはベースも上手いんだゼ”と言い放ち、オーディエンスを煽って“Play The Bass”の大シュプレヒコール。結局ウィルのサブのベースを持ち出し、しばしツイン・ベースのファンキー・セッションと相成った。

再結成アヴェレージからはハッキリ距離を置いているヘイミッシュ。でも新曲も披露したことだし、そろそろ新しいソロ・アルバムが欲しい頃合いだな。

 【Set List】
1. Whatcha Gonna Do For Me
2. Queen Of My Soul
3. Cherry Blossom Time
4. Some Other Time
5. How The Mighty Fall
6. Love And Learn
7. If It’s Magic
8. Person To Person
enc. Pick Up The Pieces

Cotton Clubの動画