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ふとしたキッカケでカナザワが企画・提案した尾崎亜美さんのキャニオン時代の作品群13枚が、紙ジャケット/デジタル・リマスター/ボーナス・トラック入り(すべてではない)で再発。10月から3回に分けて復刻されることになった。カナザワにとっては、東芝EMI時代の初期作品5枚の紙ジャケで解説を書かせて以来となる亜美さんとの仕事。今日はまず初回発売分の5枚分についての取材ということで、久し振りにキャニオンへ赴いた。ちなみに13枚というのは、今回は紙ジャケ・リイシューなので、アナログ盤が出ていたトコロまでを対象とした結果です。

シンガー・ソングライター然としたEMI時代とは一転、結構派手な音作りを試みたり、ユニークなアートワークを取り入れるようになったのは、担当ディレクターが面白がりで新しいモノ好きだったから。それが亜美さんの創造力に火を付けたよう。移籍2作目『HOT BABY』と次の『AIR KISS』でデヴィッド・フォスターと組んだのも、元々はそのディレクター氏の発案だったそうだ。ご本人からお訊きした裏話の数々は、各アルバムの解説に記したので、興味のある人は是非お手に取って。

AIRPLAY+TOTOが参加ということで、洋楽AORファンからも注目されるこのアルバム。既に彼らはL.A.のスタジオ・シーンでファースト・コールになっていたワケだが、その影響力の大きさは米国よりも日本の音楽シーンの方が顕著だったかもしれない。とにかくこの時期の歌謡曲/ニュー・ミュージック・シーンは、松田聖子のようなアイドル・シンガーにまでAIRPLAY+TOTOマナーが浸透していたのだから。故に実際に彼らを起用してのレコーディングとなると、勢いそのメンバーが野放し状態に置かれる。この亜美さんを筆頭に、竹内まりや『MISS M.』、Char『U.S.J.』、奥本亮『MAKIN' ROCK』などは、その好例だろう。

特にジェイ・グレイドンとスティーヴ・ルカサーが並んで弾くシーンは現地でもなかなか珍しく、スタジオで働く人たちがぞろぞろ集まってきたとか。故ジェフ・ポーカロの暴れっぷりも見事で、とりわけ<Prism Train>でのドライヴぶりはTOTOの<Goodbye Elenor>にも匹敵することで知られる。でも個人的には、サンバ・フィールでグルーヴィーに迫る<Love Is Easy>こそ、彼のイマジネイティヴなドラミングの真骨頂!という気がするのだけれど。

とにかく、亜美さんファンだけでなく、違いの分かる音楽ファンの幅広く聴いて欲しい好盤。久々に会った亜美さんには、“金澤さんって熊のぬいぐるみみたいでしょ”とブログに書かれてしまいました