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東京ジャズで、ラリー・カールトン・ブルース・バンドにゲスト参加するため、ひと足先に来日したジョン・オーツ。10月末に日本先行で約2年ぶりのソロ・アルバムが出るので、解説用にインタビューを録りに行った。

ジョンのソロでは、2ndの『1000MILES OF LIFE』でも解説を書き、その後のBillboard Live公演でご挨拶。だから直接会うのはコレで2度目になるが、当然ジョンは覚えちゃいないだろう。でもそこは気さくでフレンドリーな彼。ライナー用インタビューだと説明を受けると、「いいライナーを書いてくれよ!」とニコヤカに応じてくれた。

その『1000MILES OF LIFE』、次の『MISSISSIPPI MILE』と、アルバムを重ねるごとにルーツへ戻って行った昨今のジョン。しかし今度の新作は、ルーツに根ざしたスタイルと今様のポップ・サウンドを掛け合わせたもので、ナッシュヴィルを拠点にソロ活動を展開する現在のジョンを端的に表現している。

ビックリするのは豪華ゲスト陣だ。例えば、ポップ・カントリー界の大物ヴィンス・ギル。ワンリパブリックのフロントマン、ライアン・テダー。11年のアメリカン・ミュージック・アワードで最優秀新人賞を獲得した4人組、ホット・シェル・レイ。エリック・クラプトンの<Change The World>で一躍名を上げたトミー・シムズ。テイラー・スウィフトとの仕事で有名になったネイザン・ポール・チャップマン。ケヴィン・コスナーの音楽プロデューサー、テディ・モーガン。他にもジョンが目を掛ける新進プロデューサーが何人か参加している。演奏陣でも、ウィリー・ウィークスやミーターズのジョージ・ポーターJr.、スライド/ペダル・スティールの名手ダン・ダグモアなど、名匠たちを効果的にキャスティング。ジョン作品ではお馴染みのベッカ・ブラムレットの貢献度も高く、お懐かしやウェンディ・モートンの名も見つかる。

ただこの作品、元々はアルバムを想定してレコーディングしたものではなく…。毎月1曲づつデジタル・シングルを配信していく "Good Road To Follow”という名のプロジェクトを、そのままアルバム化したものなのだ。米国では現時点で既に3曲配信され、好評を呼んでいる。それをフィジカルCDで発売するのは、日本が初めてだ。

ジョン曰く、このプロジェクトは「ジャンルに捕われず、多くの素晴らしいミュージシャンたちとたくさんの経験をしようということ。パッケージを想定していないから、その分自由に作れる」そう。その意味では、これは言わば、相方ダリル・ホール『Live From Daryl’s House』のジョン・ヴァージョンと言えるのかも知れないな。