paul_2014japan
来日が目前に迫ったポール・マッカートニーの武道館追加公演が発表された。噂にはさんざん出ていたが、最初に発表されたのは国立競技場2days(他に大阪)だけ。他のイベントが入っていて譲ってもらえなかった、などという憶測も飛んでいたが、結局…、というワケである。
しかし問題は、そのチケット代。アリーナ席 \100,000 S席 \80,000 A席 \60,000 B席 \40,000 C席 \1,500 (25歳以下限定)。遂に、行くところまで行ったか…。そんな気がした。案の定、音楽ファンの間にもかなり動揺が走っているようで、イベンターはもちろん、ポールを阿漕だと非難する声や感情的な物言いが噴出している。でも本当にそうだろうか。多少なりとも裏事情を知っている立場としては、そう法外な設定ではないと思えてしまうのだ。

まずこの手のコンサートは基本的に、コンサート1本いくらでギャラが決まっている。演出や舞台装置を大きく変えたら話は別だが、武道館も国立競技場も、おそらくアーティスト側に支払われるギャラに違いはないはずだ。となると、単純計算だが、キャパシティが5分の1ならチケット代は5倍でも ぼったくりではなくなる。10万円という金額は、確かに相当にエクスペンシヴ感があるけれど、その設定自体は、なるほど納得できないモノではない。

またメディアはC席の設定に注目しているけれど、武道館の場合は通常、アリーナから2階席中段くらいまでがS席で、同一価格。今回はそれをアリーナ席とS席に分けている。高い価格設定とはいえ、その中で工夫していると言えるのではないか。今回のジャパン・ツアーがすべて武道館でこの設定だったら、別の意味で問題アリだが、“とてもそんな金は出せない” と思われた方は、素直に国立競技場へ足を運べば良い。

武道館だけのセットリストが組まれる、という話なので、もしかしたらビートルズ・ナンバーてんこ盛りとか、あるいはビートルズ・ソングだけでセットが組まれる、なんてコトはあるかも知れない。あとは、人それぞれの価値観の問題。20万円になっても行く人は行くだろうし、その数だって少なくないだろう。一方で、ポールに10万出すなら他のライヴを10本観たい、という人もいる。それで良いのだ。

かくいう自分は、早々に国立競技場のチケットをキープしてしてしまった。過去数回の来日公演も、必ず1回は観ている。なので、武道館に行きたい気持ちは山々だが、更にもう10万円(相方と会わせると20万!)支出するつもりはサラサラない。TVや映像作品で観られれば、それで充分だ。

今回の一件、思わず『安い席の方は拍手を、その他の席の方は宝石をジャラジャラ鳴らして下さい!』というジョンの発言を思い出してしまったよ。