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Renajaのサウンド・プロデューサーである新井現詞、約30余年ぶりとなる『IMPRESSION 再販記念ライヴ・パーティー』@下北沢 COM.CAFE音倉。Renajaのライヴでは、Renaに合わせたスタイリッシュなステージングになっているけど、MCで時々クチを挟む新井さん、実は江戸っ子キャラクター丸出しの“べらんめェ”調なのダ

今回のソロ・ライヴでのサポート・メンバーは、Renajaでもお馴染みの土屋潔(g)、宮下恵輔(b)、林政宏(kyd)、松藤一英(perc)、Shumi(cho)に、cherry(cho/from "Sparkling☆Cherry")が加わり、ゲストにRenejaのRenaという面々。このうち土屋、宮下、林の3人は40年に及ぶつきあいで、『IMPRESSION』でもプレイしている。特に土屋は新井さんお気に入りのギタリスト。如何にも職人っぽい頑固そうなルックスとは裏腹に、この上なくセクシーで艶やかなギターを弾く。元々、美乃家セントラル・ステーションに在籍し(かの土屋昌巳の後任/血縁関係はない)で、最近では南佳孝のサポートなどでも知られる人。興の乗った新井さんは、自分のルーツを紹介しながら、プレスリー調のロックン・ロールやブルース、シャッフルなどをいきなりその場でバンドに演奏させ、その都度 彼のギターをフィーチャーした。でもこういうその場のセッションが、今時の若いバンドは “阿吽の呼吸”ってモノを知らないから、こういうのはできないんだな。

『IMPRESSION』からプレイされたのは、オープニングに置かれた<Ocean>を始め、<イミーテション・ラヴ>や<バタフライ>、<風のメモリー>等など。ボーナス・トラックになっていた<オンリー・イエスタデイ>は、cherryちゃんのリード・ヴォーカルで披露された。その他、当時のお蔵入り曲や、Renaja用に書いたがルネ向きじゃないので未発表にした、なんて秘蔵曲を披露。中でも『IMPRESSION』収録のものとは同名異曲である<Set Me Free>は、スウェイ・ビートを使ったナイスなダンス・チューン。実は新井さんの昔のバンドで演ったラフなデモを聴いたことがあるのだけど、これをお蔵入りさせたまま放置するのは、チョッと勿体ないと改めて思った。ゲストのReneは1stステージの最後に登場し、そこからコーラス人が3人という豪華布陣になる。

それにしても、新井さんの柔らかく甘〜い歌声は今も衰えることなく、充分魅惑的で。髭を蓄えてからのココ1〜2年は、まさにチョイ悪オヤジ風で、見てくれもなかなか かつての新井さんとは、まるで別人28号だ。これで余計なコトさえ喋らなければ、いいんだけとネ。

ところが、そうは行かないのが、彼の性でもあり… MCすると、途端に“ヲイ、こら”、“てやんでぇ〜”、“ちょっと待て、バカやろう、コノヤロー” と江戸っ子モード全開になる(もちろん客相手には言ってません)。ホント、新井さんオモロ過ぎ。客席も大爆笑の渦だ。このギャップが新井さんなんだな。

最初で最後、のつもりで臨んだ今日のライヴだったが、これをこの1回で終わらせることはない。プライオリティはまずRenajaでも、その番外編としてのソロ・ライヴは大いにアリだし、Renajaでもアルバムに1曲くらいはリードを取る楽曲があってもイイと思うな。

ステージの写真等は、新井さんのfacebookページで。