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キャロル・キングの公私に渡るパートナーで稀代の作詞家として知られるジェリー・ゴフィンが、19日、L.A.の自宅で亡くなった。享年75歳で、老衰と伝えられている。先月100歳の祖母を看取った身としては、75歳で老衰というのが不思議だが、自然死なのは間違いないようだ。

1959年、ジェリー・ゴフィンが20歳の時、クイーンズ大学で3つ歳下のキャロル・キングと出会い、すぐさま共作をスタート。1週間か10日後にはカップルとなり、文字通りのパートナーとなった。2人が生み出した名曲の数々は、<Will You Still Love Me Tomorrow>や<Natural Woman>、<Loco-Motion>など枚挙に暇がないが、67年頃には結婚生活が破綻。別々の道を歩み始める。その後キャロルは、ザ・シティを経てソロ・アルバム活動を本格化させ、71年の2作目『TAPESTRY(つづれおり)』で大ブレイクした。

一方ゴフィンもソロ・アルバムを出したが、これは一部のマニア受け。その後もソングライターとして曲を書き続け、マイケル・マッサーと組んでヒットを出したこともあったが、結局キャロルとの蜜月期を越えるモノは生み出せないまま、息を引き取ったことになる。ゴフィンにとってのキャロルは、自分の人生を左右した唯一無二の女性。だがキャロルにとってのゴフィンは、単なる最初の夫であり、職業作家時代の重要パートナーという位置づけに過ぎなかったのではないか。何せキャロルの最初のボーイ・フレンドはニール・セダカで、ゴフィンが出会った時には、既にジェリー・ウェクスラーやアーメット・アーティガン、ポール・サイモンなどとも知り合いだったという。キャロルが仮にゴフィンと出会わなくても、その才能はきっと何処かで華開いたはず。でも彼女の曲を最良の形で開花させたのは、他ならぬゴフィンの書いた歌詞だった。

近年は大きなヒットがなかったゴフィンだが、ケリー・クラークソンの才能に逸早く目を付け、彼女が『アメリカン・アイドル』に出場する前にデモ音源を作らせていたそう。やはり音楽の才能を見る彼の目は確かだった。

Rest in Peace。