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昨日、ライヴ・レポートに併せて『Light Mellow 大橋純子』を紹介したので、今日は同発の2枚『Light Mellow 尾崎亜美』と『Light Mellow 野口五郎』を。ふと気づけば、タワー・ダイニング恵比寿でのイベント『Light Mellow 和モノ DJ ナイト』第1回も、今週末8日(金)に迫って来ているし…(詳細はコチラから

さて、Light Mellow 和モノのコンピレーション・シリーズも、8月末に出るインディ・レーベル3社分(また後日紹介します)で、現時点での協賛メーカーはひと回り。先行メーカーはひと足早くセカンド・ステージに突入した。それがこのアーティスト・シリーズ。

まず『Light Mellow 尾崎亜美』は、彼女がEMI時代に発表した5枚のアルバムとシングルからのピックアップ。いわゆるニューミュージック勢の中でも、ユーミンに次ぐくらい洋楽指向を見せて来た亜美さん故、Light Mellow的にも王道と言える存在なので、これは違和感ナシの内容。どうしても過去のベスト盤ともダブリが多くなるが、明るくテンポ感のあるナンバーばかり収めてあるので、ホンワカした気分になれるのは間違いない。

一方の『Light Mellow 野口五郎』は、まさに目からウロコ、野口五郎再評価の礎になり得るカゲキなチョイス。一般的には、郷ひろみや西城秀樹と共に70'sの男性アイドル新御三家としてお馴染みのヒトだが、全18曲のうち、シングル曲はたった2曲しかない。

歌唱力の確かさでも知られる人だが、実は彼、幼稚園の頃からウクレレを弾き始め、小学校低学年でギターを手にしたというギター少年。ラリー・カールトンのようなフュージョン・ギタリストが大好きで、15歳でデビューした後、アイドル人気が高まると、シングルでは歌謡路線でヒットを狙い、アルバムでは早くからロンドン、L.A.、ニューヨークでレコーディングを行ない、カールトンを筆頭に、デヴィッド・サンボーン、マイケル・ブレッカー、リー・リトナー、デヴィッド・スピノザ、デヴィッド・T・ウォーカー、リー・スクラー、デヴィッド・ハンゲイト、マイク・ポーカロ、ジェームス・ギャドソン、リック・マロッタ等など、錚々たる著名セッション・ミュージシャンを起用していた。

だから歌っている楽曲も推して知るべし。もちろん歌謡指向の曲は多いものの、洋楽〜シティポップス的にソソられるマテリアルが少なくない。このコンピのラストなんて、五郎君のギターをフィーチャーしたインスト曲だからね。しかも書いているのは、彼が憧れるラリー・カールトンその人だ!

そんな曲だけを抽出して1枚にコンパイルしたのが、この『Light Mellow 野口五郎』。アイドル時代からの盲目的ゴロー・ファンには一蹴されそうな内容だが、それだけ彼のパブリック・イメージを逸脱しているのは間違いなく、それゆえに昔を知らないクラブ世代のファン、ニュートラルな耳を持った進歩的音楽ファンなどに歓迎されるはずである。野口五郎にそういう面があることを最近知り、「タワー・レコードで着々と進むリイシュー作業を気にしていたが、どれを買ったら良いか分からなかった」、という方も少なからずいると思われ、そのいう人には恰好の入り口となるだろう。まさに、アナザー・サイド・オブ・野口五郎。果たしてご本人がどう思われるか、ちょっと感想を聞いてみたいところだ。

収録曲は以下の通り。

《Light Mellow 尾崎亜美》
1. 太陽のひとりごと
2. 冥想
3. ストップ モーション [シングル・ヴァージョン]
4. 旅 [シングル・ヴァージョン]
5. 春の予感 ~I’ve been mellow
6. パーフェクト ゲーム
7. ジェシー
8. 気紛れ予報
9. 風の中
10. マイ・ピュア・レディ
11. センセイション
12. ジョーイの舟出
13. 気分を変えて
14. 白夜
15. 私は何色
16. あなたはショッキング シャイン
17. BOOMING CRACKER
18. テンプテーション
19. FOR YOU
20. 午前五時の旋律


《Light Mellow 野口五郎》
1. ときにはラリー・カールトンのように
2. たわごと
3. スクランブル・エッグ
4. バイオレンス
5. I Love You
6. 薔薇
7. 裏切り小僧
8. ワンサイド ゲーム
9. 世界が止まる
10. クール・キャット
11. 闇
12. シスコ・ドリーム
13. メニュー
14. 星型爪環
15. 女になって出直せよ
16. スマイル
17. グッド・ラック
18. MOUNTAIN SONG

なお亜美さんは、キャニオン移籍後の80〜90年代楽曲を集めた『Light Mellow 尾崎亜美80'S』が9月にリリースされる。