LM_serenade
LIght Mellow 和モノ・シリーズもインディ3社によるレーベル・コンピのリリースに突入。しかしまぁ、かなりのドタバタでありまして、まずは最初にお詫びをしないと…。当初の予定では、昨日20日に『Light Mellow DRIVE』(ウルトラヴァイヴ編)、『Light Mellow Serenade』(クリンク編)、『Light Mellow Magic』(ヴィヴィド・サウンド編)の3枚が同時発売の予定でしたが、そのうち『Light Mellow Serenade』は一週遅れの27日に延期。『Light Mellow Magic』は更に遅れ、9月中旬(詳細未定)の発売になりそうです。また予定通り発売された『Light Mellow DRIVE』でも、解説のミスが発覚。豊島たずみ<夜もすがら>の楽曲解説に、全く別のコンピの解説が紛れ込んでしまいました。気づいた時には既に初回プレス分が上がってしまったため、その分につきましては、ショップ店頭での訂正文配布という形での対応となります。謹んでお詫び申し上げます。なお、2ndプレス以降は修正済みの解説となりますので、よろしくお願い致します。

…と、てんやわんやではあるのだが…。

でも実はこのインディ3枚こそ、カナザワが一番知恵を絞ったアイテム。『Light Mellow Drive』の時にも書いたように、メジャーとは違って自社音源が少ない。その分、元々音楽出版社が原盤権を持っている楽曲や今は無くなってしまったレコード会社の音源、ラインナップから洩れてしまった中堅メジャー・レーベルの音源を集めているのだ。

その中でも特徴的なのが、旧トリオ音源を中心に構成したクリンク編『Light Mellow Serenade』。10年前に出した前回シリーズのテイチク編『Light Mellow Cruise』をお持ちだと一部ダブリがあるのだけれど、他にもライトメロウな楽曲を持つアーティストの場合は曲を入れ替え、更に他の出版社音源などを追加。ガイド本『Light Mellow 和モノ Special』に掲載した<御用心 / 稲村一志>と<Serenade / ステップ>は、今回は初CD化となる。前者は第一巻第百章解散後のソロ・シングルで、かつてのシュガー・ベイブ・フォロワーぶりが見事AORサウンドに。後者はデビュー前の角松敏生と縁のある男性デュオで、サウンド・プロデュースは松下誠が担っている。

収録曲は以下の通り。

1. センチメンタル・ニューヨーク / COOLS ROCKABILLY CLUB
2. 勝手にしやがれ / 南 佳孝
3. 二月の匂い / 稲村一志と第一巻第百章
4. 週末 / 吉田美奈子
5. ボン・ボヤージ波止場 / 小坂忠
6. 初夏の香り / 久保田麻琴 ※ソロ・シングル・ヴァージョン
7. Island Girl / かまやつひろし
8. 夏色の空 / マーク
9. GYPSY SONG / 西岡恭蔵
10. Silver Rain / 宮本典子
11. Serenade / ステップ
12. 御用心 / 稲村一志
13. I Love Talkin' Bout Baby / 酒井 俊
14. ひらめきラブ / 井田リエ & 42nd Street Street
15. Cadillac Woman / 宮本典子 with 鈴木 勳
16. Last Moon / Jugando
17. 星くず / 久保田麻琴と夕焼け楽団

このうちクールスは、山下達郎ネタとして知る人ぞ知る存在。<夏色の空>のマークとは、あのガロの堀内護(サングラスの人)のことである。Jugandoはサンタナ来日時に前座を務めたこともある、ラテン系のロック/フュージョン・バンド。酒井俊はジャズ・シンガーだが、ジョニー・ブリストルをカヴァーしたこの曲はYMOを組んだばかりの坂本龍一がアレンジし、KYLYNに通じるテクノなファンキー・ツー・ステップが堪能できる。ムッシュのロコなメロウAORチューンにも、目からウロコのひとが多いのでは?

発売日は若干延期になってしまったが、『DRIVE 』や後発になった『MAGIC』と共に、とても価値のあるコンピになっていると思う。