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ショック ジョー・サンプルが急逝した。以前、来日中に心臓疾患で倒れて緊急入院。応急処置後に帰国して手術し、一命を取り止めた、なんてコトがあったので、今年初めのジャパン・ツアーが中止された時は、“ヤバイのかなぁ…?”と心配したが、どうやら肺ガンを患っていたようで、その後も入退院を繰り返していたらしい。直接の死因は、肺ガンの合併症。故郷であるテキサス州ヒューストンの病院で、現地時間12日夜、家族に看取られて息を引き取ったそうだ。享年75歳。


クルセイダーズで、そしてソロでと、生ジョーは何度か観ている。やっぱり印象深かったのは、ずいぶん前に観たクルセイダーズ。逆に叶わなかったのは、エリック・クラプトンやデヴィッド・サンボーン、スティーヴ・ガッドらと組んでマーカス・ミラーが仕切ったレジェンズのステージ。その後ガッドと共にクラプトンのソロ・ツアーにも付き合ったのは、ちょっと驚いたけれど。

よく聴いたのは、クルセイダーズの『SCRATCH』と『南から来た十字軍』、『STREET LIFE』、『RHAPSODY & BLUES』。ソロでは言わずもがなの『RAINBOW SEEKER』と『CARMEL』の2枚。それにカナザワ的には、クルセイダーズ『IMEGES』も忘れられない。彼らの歴史では地味な存在のアルバムだけど、自分がジョーのエレピにハマるキッカケとなったのは、実はあのアルバムだった。アタックが強く、硬質でキラキラした音が大好きだったのだ。ジョーというと<Melodies Of Love>で聴けるような生ピアノが代名詞。でも自分には、エレピの名手というイメージが強い。70年代に入った頃だろうか、巡業先のアコースティック・ピアノがコンディションの悪いモノばかりで、ジョーはキャリアの危機を感じていた。それを救ったのが、ようやく普及し始めたローズ・ピアノ。それだけにジョーのエレピ・プレイには魂が宿っていた。

でももう、それを生で聴くことはできない。ジョーの逝去は寝耳に水のコトではなかったけれど、実際にその報に接すると、やはりジワジワと虚無感に襲われてしまう。

夜は、尾崎亜美さん@北とぴあ(東京・北区王子)のライヴがあり、ご主人:小原礼(b)、屋敷豪太(ds)、是永功一(g)を従えてのスペシャルなライヴを堪能。これに元気を貰えたのが救いになったな…。