doobie_southbounds
知り合いのFacebook上で話が盛り上がったドゥービー・ブラザーズの最新作をコチラでも。その内容は、新録ながらも純然たる新作ではなく、ドゥービーの過去の名曲たちをオリジナル・シンガーとゲストが一緒にリメイクするという、ある種企画盤だ。でもこのリメイクが極めて自然体かつ豪快で、なかなか良いのである。

今作ではトム・ジョンストンとパット・シモンズに加えて、マイケル・マクドナルドが復帰。この3人と、ギターのジョン・マクフィーがブックレットに映っている。でもこれが今のドゥービーの正式メンバーというワケではなく、おそらくマイクの参加は暫定的だろう。クレジットを見ても、既にバンドとしての体は成していないようで、演奏面ではナッシュヴィル界隈のセッション・ミュージシャンたちが全面サポートしている。現況としては、ほとんどプロジェクトと言っていい。

それでも企画が良かったか、オッサンたちはメッチャ元気 オリジナルの魅力はそのままに、それを今の技量とテクノロジーで、よりソリッド&パワフルに仕上げている。もちろんゲストの持ち味を加えちゃいるが、基本的に演奏のノリの良さで押し切る爽快感があるのだ。

で、そのゲストと収録曲は、以下のようになっている。

1. Black Water (with Zac Brown Band)
2. Listen to the Music (with Blake Shelton and Hunter Hayes on Guitar)
3. What a Fool Believes (with Sara Evans)
4. Long Train Runnin' (with Toby Keith and Huey Lewis on Harmonica)
5. China Grove (with Chris Young)
6. Takin' It to the Streets (with Love and Theft)
7. Jesus Is Just Alright (with Casey James)
8. Rockin' Down the Highway (with Brad Paisley)
9. Take Me in Your Arms (with Tyler Farr)
10. South City Midnight Lady (with Jerrod Niemann)
11. You Belong to Me (with Amanda Sudano Ramirez of the band Johnnyswim with Vince Gill on guitar)
12. Nobody Intro13 Nobody (with Charlie Worsham)

えっ〜とカナザワが分かるのは、ヒューイ・ルイスやヴォンス・ギル以外では、ブレイク・シェルトンとか、少し前にグラミー新人賞を取ったザック・ブラウン・バンドとか…。まぁ要するに、日本ではまったく馴染みの薄いカントリー勢がズラリ、なのだ。そこで思い出したのは、2年前に出ていたライオネル・リッチーのセルフ・カヴァー盤『TUSKEGEE』。あれも大して期待してなかったのに、スゴく魅力的な作品だった。

気合いを込めて新しい解釈を加えたセルフ・リメイクというのは、得てしてイタイ出来になったりする。でもココには、そういう心配はまったく要らない。思うに、カントリー勢という最もコンサヴァな連中と組んだことで、大手を振って原点回帰できたんだろうな。ジュークボックスをあしらったアートワークも、ドゥービーの最初のベスト盤を思い出させる。気軽に聴けて楽しい一枚。国内盤は12月24日発売にて。