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朝から訃報が多い一日。海外からは、マンハッタンズのリーダー:ブルー・ラヴェット他界のニュース。これでもうマンハッタンズは解散だろう。ジェラルド・アルストンが健在でも、ラヴェット不在ではジェラルドのソロになってしまうから。それに併せて、創設メンバーだったソニー・ビヴィンズが亡くなっていたことも分かり…って、ちょっと悲し過ぎるお話だ。そして国内では、ガロのマークこと堀内護が、9日未明、胃ガンのため都内の病院で死去していたことが分かった。享年65歳。

マークが37年ぶりの新作『時の魔法』で奇跡の復活を遂げたのは、未だ記憶も生々しい昨年9月のこと。<学生街の喫茶店>や<ロマンス>で一世を風靡してから、ちょうど40年目のコトである。76年のガロ解散後、2枚のソロ・アルバムを出したものの成功せず、スッパリ音楽業界から足を洗うことに。その後オート・テニス場を経営していたことは後で知ったが、表舞台にはまったく顔を出さず、かなり唐突な復活でビックリした。それでもガロは、BOXセットが組まれるなどシッカリした再評価の俎上に乗っていたから、広く歓迎されたワケだ。聞けば07年頃からボチボチとライヴ活動していたそうで、満を持しての新作だった。

ベテラン・ミュージシャンの中にも、実はガロのコーラス・ワークに影響を受けたという人はたくさんいて。“和製C.S.N.&Y.”と呼ばれ、フォークにカテゴライズされていた彼らだけど、実はロックを目指していたとのこと。音はアコースティックでも、いわゆる他の日本のフォーク・シンガーとは違って、叙情的な歌詞の世界に流されるのではなく、あくまで洋楽的で高度な音を目指す、というコトだったようだ。

当時中学生だった自分がリアルタイムで聴いたのは、ガロのシングルだった。<学生街の喫茶店>、<ロマンス>は元より、<君の誕生日>、それに<一枚の楽譜>も持っていたな。当然当時はフォーク的に聴いていたので、故・日高富明のロック路線を打ち出した<一枚の楽譜>に驚いたのを覚えている。でも自分もその頃から洋楽に強く惹かれ始め、そちら一辺倒になったのだった。そうした意味では、マークの復帰も微笑ましく見ていたのだけれど…

現在進行中のLight Mellow 和モノのコンピ・シリーズでも、クリンク盤『Light Mellow Srrenade』にマークの76年のソロ・アルバム『六夢』から、ユーミンの歌詞に影響されたという<夏色の空>を収録している。これからもうひと華、というタイミングでの急逝が、とても残念だ。

マーク、どうぞ安らかに…