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絶好調、一十三十一チャンの新作が到着した。これが7曲入りのミニ・アルバムの体ながら、完全にフル・アルバムに匹敵する充実感。カナザワ、早速ヤラレちゃっている

コンセプト的には、前作『SNOWBANK SOCIAL CLUB』と前々作『SURFBANK SOCIAL CLUB』のミクスチャーで、それはアートワークにもそのまま現われている。流線形のクニモンド瀧口、Dorian、Kashif、そしてGrooveman Spotが繰り出すサウンドは、カナザワ世代には懐かしくも新鮮に響くモノ。いわゆる、ダサかっこ良さがある。シンセの音色やフレーズ、シンセ・ベースのウネリ、ギターのトーン、ドラム・マシーンのパターン…、そういったひとつひとつの音に、80'sのスピリットとコダワリが宿っているのだ。でもその鳴らし方は、とことん クール。

それに輪を掛けてヒンヤリしているのが、十一嬢のヴォーカルだ。でも淡々と歌っているように聴こえるが、そのクセ、心にポッと火を灯すような情感が、瞬間的に沸き上がってくる。でも、オッと思うと、またすぐ元の冷ややかさに…。そのチョッと悪戯っぽい表情が、堪らんのだ。これは小娘にはできない芸当だし、熟女がやっても可愛いくない。シメの1曲がユーミン<A Happy New Year>のカヴァーというのも、ある世代には胸きゅんモノだ。ぶっちゃけ、ホイチョイ・ムービー『私をスキーに連れてって』のまんま、である。

デビューから数えたら立派な中堅シンガーだけど、ポチャッとしたハイレグ姿同様、この娘は今こそ旬。ミニ・アルバムでもいいから、どんどんリリースしてちょうだい