andrae_crouch
“ゴスペル・シーンのクインシー・ジョーンズ” と大いなるリスペクトを集めていたアンドレ・クラウチが、去る1月8日、L.A.の病院で死去した。アンドレは12月に肺炎と鬱血性心不全を併発して入院。ツアーを中止して静養していたが、3日に心臓発作を起こして再入院していた。享年72歳。


アンドレは牧師としてはもちろん、シンガー/作編曲家/プロデューサーとしても活躍。西海岸の音楽シーンに於いては、教会音楽と世俗の架け橋的な役割を担い、言わばゴスペル・レジェンドに君臨していた。 一番有名なのは、マイケル・ジャクソン<Man In The Mirror>への参加。マドンナとの共演も、センセーショナルに報じられるんだろうな。でもそれどころか、西海岸エリアのゴスペル・クワイアすべてに顔が効くような人であった。

60年代からいろいろなグループを率いてゴスペルを歌い始め、75年以降グラミー賞を7回受賞。ビリー・プレストンを筆頭に、タタ・ヴェガ、エドナ・ライト、フィリス・セント・ジェイムス、マキシ・アンダーソン、アルフィ・サイラス、マクラリーズ、ハワード・スミス、ワイナンズ等など、彼のファミリーに加わっていた人は少なくない。そうそう、ヴォイス・オブ・エアプレイのトミー・ファンダーバークなどの白人も。

81年のグラミー受賞作であるこの『DON'T GIVE UP』も、常連であるコイノニア勢(ビル・マックスウェル:ds、エイブラハム・ラボリエル:b、ハドリー・ホッケンスミス/ディーン・パークス:g、アレックス・アクーニャ:per)を中心に、デヴィッド・ペイチ(kyd)、スティーヴ・ポーカロ(syn)、ジョー・サンプル(piano)、ジェリー・ピータース(kyd)、グレッグ・フィリンゲインズ(syn)、ルイス・ジョンソン(b)、デヴィッド・ウィリアムス(g)、ジェイムス・フェリックス(cho)らが、バリバリに参加している。コレを見れば、そのスケールの大きさが分かろうと言うもの。70年代末〜80年代半ばは、上記周辺のミュージシャンを使って、コンテンポラリーな音作りの作品を多数出していた。Rest in Peace…

あぁ〜、今年も訃報は多そうです…