crepuscule
少しだけ時間と気持ちに余裕アリで、昨年秋に出ていた『クレプスキュール物語』の2014年版をまったりと。年初めに引いた風邪が、ほぼ直ったと思ったところでまたぶり返し、咳と鼻水がヒドイ。熱はないので寝込みはしないが、原稿に向かいつつも、ちょっとボーッとしているな。そんな身体に、ネオアコの音が優しい。

80年代初めに、ポスト・パンクの潮流から生まれたネオアコ。英国のチェリー・レッドやラフ・トレード、ポストカードと並んで注目されたのが、ベルギー発のクレプスキュールだった。アンテナ、アンナ・ドミノ、ドゥルッティ・コラム、ア・サーティン・レイシオ、ペイル・ファウンテンズ、キャバレー・ヴォルテール等など…。パンクに対しては、入り口から中を覗いた程度で深入りせずに終わったカナザワなので、その後のポスト・パンクやニュー・ウェイヴも遠目に観ていただけ。それでもアンテナやアンナ・ドミノは多少聴きかじったし、エヴリシング・バット・ザ・ガールだのアズテック・カメラだのも意識して聴いたな。

この『クレプスキュール物語』は、84年に出た22曲入りアナログ2枚組がオリジナル。そのちょうど30年後に、リニューアル盤が出たことになる。今回はCD2枚組で全27曲の収録。契約の関係か、ア・サーティン・レイシオやキャバレー・ヴォルテールは外され、現在のクレスプキュールがプッシュする4人の女性アーティストのマテリアルが入っている。そのうちペネロペ・クイーンは、何とイザベル・アンテナの娘。う〜ん、時代だなぁ。