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オーレ・ブールド@コットン・クラブ3daysがハネたところで、同じ30日にブルーノート東京で公演がスタートしていたラリー・カールトン&スティーヴ・ルカサーの4日目2nd Showにエントリー。2人の共演は、グラミー賞"Best Pop Instrumental Album"を受賞したライヴ盤『NO SUBSTITUTIONS』(01年発表)を大阪で録った98年の来日公演以来17年ぶり、と聞かされていたが、実際はそのライヴ盤のプロモーションのため01年にヨーロッパや日本でツアーを行ない、パリ公演の模様をDVDで出している(05年)。“おかしいな、もっとあとに2人の共演を観た気がするなぁ…” と思っていたら、何のことはない、11年に出し直されたたそのDVDの廉価盤では、自分が解説を書いていたのだった…

来日メンバーは、kydにジェフ・バブコ、ベースにラリーの息子トラヴィス・カールトン、そしてドラムにキース・カーロックという若き俊英たち。ルークとジェフの付き合いは古く、キース・カーロックもTOTOに加入したので、このラインナップはややルーク寄りに映る。が実際の処は、カーロックはラリーの『夜の彷徨』再現ツアーにも参加していたし、ラリーが同行したスティーリー・ダンのツアーでも叩いていた。要するにルークよりもラリーと縁の深いドラマーで、ちょうどバランスの良いラインナップなのだ。

しかもラリーにとって、著名ギタリストとの共演ステージは、ひとつのライフワークのようになっている。リー・リトナーとの『LARRY & LEE』、最初のルークとの共演後、フォープレイ加入で中断していたが、その脱退前後から再び活発化し、ロベン・フォード、松本孝弘、そして去年はデヴィッド・T.ウォーカーとジョイント。単なる人気取りではなく、グラミーなど確かな実績を挙げてきた。そしてココへ来て、ルークとの再共演と相成ったワケである。

この日のステージは、このラリー&ルークのジョイントでは定番化しているジェフ・ベックのカヴァー<The Pump>でスタート。エンディングにスティーリー・ダン<Josie>のフレーズを持って来ているのは、パリ公演と同じだ。だが2曲目は、何とビックリ、マイルス・デイヴィスの<Tutu>が取り上げられる。ラリーのMCに拠れば、ルークの提案だそうで、このあたりに再共演の意義がありそう。更にクリーム・ヴァージョンの<Crossroad>、アンコールではTOTOがレパートリーにしていたビートルズ・ソング<While My Guitar Gently Weeps>と歌モノも披露された。加えて地方公演では<Only Yesterday>の代わりにジミ・ヘンドリックス<Little Wing>を演った日もあるとか。そうなると、そこにひとつ隠れたネタが見えてくる。そう、エリック・クラプトンの存在だ。ルークの口からクラプトンに受けた影響について語られたことはあまりなかった気がするが、これは単なる偶然だろうか。イヤ自分には、ラリーとクラプトンに通底する白人ブルースの在り方に、ルークが密やかにリスペクトを示した結果では?、と思えて仕方がない。

ラリーを先生と慕い、普段よりも抑えたプレイでステージに臨むルーク。それでもアーミングを駆使して稲妻の如き爆音をカマすルークは、大人のプレイを展開する恩師の前ではずっとヤンチャに映る。でも時々それに呼応して、ラリーもいつになくアグレッシヴなフレーズを繰り出すあたりが面白い。リトナーやデヴィ爺とのジョイントでは、とことん自分らしいプレイを貫いたラリーなのに、相手がルークだと、時折パッと閃いたように相手に反応して見せる。

バックの面々では、やはりキース・カーロックに視線が集中。ブルージーな曲が並んだこのステージでは、これまでと違って手数の多さが際立った。またこの日のヴェニューにはカメラが数台入っていて、いずれ映像作品が出されるとか。とにかく、何かと見どころ聴き処が多いステージだった。


1. THE PUMP
2. TUTU
3. LILY’S OF THE NILE
4. CROSSROADS
5. ONLY YESTERDAY
6. BEN E WAH
7. ROOM 335
-- Encour --
8. WHILE MY GUITAR GENTLY WEEPS