revolution_saints
これは会心。ナイト・レンジャーのジャック・ブレイズ(b,vo)、現ジャーニーの歌えるドラマー:ディーン・カストロノヴォ、そして元ホワイトスネイクのダグ・アルドリッチ(g)が結成した、いわゆるスーパー・バンド:リヴォリューション・セインツのデビュー作が、かなりイイ出来だ。

まぁ、イザ蓋を開けてみたら、実質的にはカストロノヴォのソロ・プロジェクトのようで、ジャック・ブレイズはベースを弾いて歌っているだけ。つまり作曲面での存在感が薄いのが残念なのだが、伊Frontiersの懐刀で本作のメイン・コンポーザーであるアレッサンドロ・デル・ヴェッキオ(kyd)がなかなかイイ楽曲を揃えているのが大きい。

TOTOの新作レビューでも少し書いたが、広大な米国でヒットを飛ばすには、風土や環境の異なるエリアを網羅し得るタフなメロディが必要だ。だがヨーロッパや北欧産のメロディアス・ハードは、美麗なメロディとコダワリのスタイルを持つ反面、そのセンスは何処かウェットで小さくまとまってしまう傾向がある。それが世界的人気を持つ産業ロック/アリーナ・ロックと、日欧限定のメロディアス・ハードの差だ。

でも今回ヴェッキオが書いた曲は、如何にもアメリカン・ロック的なスケール感を持ち、キャッチーなメロディで綴られている。ぶっちゃけ、モロにジャーニー路線ではあるのだが、それはこのプロジェクト当初からのコンセプトだろう。ココでヴェッキオが目指したのは、カストロノヴォが歌うジャーニーだったのでは? バッド・イングリッシュ〜ハードラインと常に彼のボスだったニール・ショーン、そして現ジャーニーの看板アーネル・ピネダがゲスト参加しているのも、本作の狙いを裏付けている。

アルバム全体としてはやや一本調子の嫌いありだが、サイド・プロジェクトの1作目としては充分。これで次回ジャック・ブレイズの曲が入ってくれば、バラエティ感は増すはずだ。70〜80'sのアリーナ・ロック勢が続々と息を吹き返す中、TOTOが乗り越えられなかった楽曲クオリティの壁を、コイツらはあっさりクリアしている。

それにしても、カストロノヴォのヴォーカルも、ピネダ君に負けず劣らずスティーヴ・ペリーっぽいな