■ 本気でAOR NIGHT

是非観にきて下さい！とメンバーのお一人に誘われ、本気でAOR NIGHT＠目黒Blues Alley Japanへ。このイベントは、日本のセッション・シーンを代表する一流ミュージシャンたちが集い、大好きなAORソングを演り倒す！というかくも嬉しいモノで、今回が４回目。回を追うごとに人気が上がっていて、前回に当たる今年２月のライヴは2daysで開催された。今回は１日のみだが、その分立ち見が出るほどの盛況振り。しかも演る曲演る曲、イントロごとに拍手と歓声が沸き上がるという、演る方も聴く方も大盛り上がりのショウなのだ。

まずメンバーを書いておくと、言い出しっぺのリーダー：増崎孝司 （g）を中心に、種子田健（b）、小笠原拓海（ds）、安部潤（kyd）、友成好宏（kyd）、中島オバヲ（perc）、竹上良成（sax,flute）、三谷泰弘（vo）という強力布陣。ホント、これなら超ビッグネームのバック・バンドとしてもイケそうな顔ぶれなのだが、それが趣味のプレイのために集まっているところがスゴイ。

当然全員が超多忙。今回は、何とリハーサルたった１回で本番に臨んだそうだ。それなのに、好き者集団ゆえ、第１部は全曲今までに披露したことのない新しいレパートリーで固めてくる。もちろんシッカリを譜面を起こしてくれる人（安部潤氏だそう）がいるからできるのだが、それでも実際のパフォーマンスを聴いていると、とてもリハ１回とは思えない。それほどカッチリとまとまっているのだ。最近某所で観た来日AORアーティストのライヴが、バンドのリハ不足でグズグズになっていたのとは正反対。アチラも世界的に名の通ったメンツで来ていたので、個々の力量はそう変わらないはずだが、バンドとしてのまとまりは雲泥の差。妙なところで、バック・バンドの在り方について考えさせられてしまった。

…にしても、これだけ馴れ親しんだ曲が矢継ぎ早に飛び出してくると、思わず笑みが溢れてしまう。AOR好きの皆さんは、家でAORを聴けば心身ともにリラックスできると思うが、幸か不幸かカナザワの場合は、AORを聴くとお仕事モードに入ってしまうワケ。なので息抜きで音楽を聴くときは、逆に仕事とは縁遠いハード・ロックやプログレにしってしまう

だけど、こういうカヴァーであれば、まったく素直に楽曲の良さ、演奏の善し悪しを堪能できる。TOTOやDoobiesなどは、王道を一歩外した選曲も楽しく。３世代に股がるメンバーが全員AORファンというが、まだ30歳そこそこの小笠原クンがどうして？と思っていたら、通っていた音楽大学の講師たちがAOR世代で、そこからの刷り込みだったらしい。AORも、もう二世ミュージシャン誕生の時代なのである。

そんなワケで、みんながみんなイキイキとプレイしていたのが印象的。とりわけギターの増崎氏はニコニコ顔でレスポールをバリバリ弾き倒していたし、小笠原＆種子田のリズム隊も素晴らしいグルーヴを提供。個人的には重厚感のあるベースに心奪われた。楽曲的には、＜Phantom Of The Footlights ＞からの１部終盤が一番響いたかな。翌を言えばコーラスが２人ぐらい欲しいところだけど、イイ人はいないのかしら？

いずれにせよ、これは心から楽しくなれたAORライヴ。まだ観たことのない方、特に“カヴァーなんでしょ？”と二の足を踏んでいる方に、是非オススメしたい。自分もスケジュールさえ会えば、次回も必ず足を運びます。

1st
M1. Mr.Briefcase (Lee Ritenour)
M2. How Do I Survive (The Bliss Band)
M3. We're In This Love Together (Al Jarreau)
M4. What Good Is Love (Bill Champlin)
M5. Look Who's Lonely Now (Bill LaBounty)
M6. You Are The Flower (Toto)
M7. Phantom Of The Footlights (Full Moon featuring Neil Larsen & Buzz Feiten)
M8. Here To Love You (The Doobie Brothers)
M9. Private Eyes (Hall & Oates)

2nd
M10. Cryin' All Night (Airplay)
M11. Who's Right, Who's Wrong (Pages)
M12. New Frontier (Donald Fagen)
M13. Peg (Steely Dan)
M14. Minute By Minute (The Doobie Brothers)
M15. Hard To Say I'm Sorry (Chicago)
M16. Breakin' Away (Al Jarreau)
M17. Jojo (Boz Scaggs)
M18. Georgy Porgy (Toto)

Encore
M19. What You Won't Do For Love (Bobby Caldwell)
M20. I Just Wanna Stop (Gino Vannelli)

Comments

[1. bix]

この企画でクラブ・ツアーして欲しいところですが、売れっ子ばかりなのでスケジュールの調整も大変でしょうし。

先の音盤＆トーク・ライヴといい、こういう時は東京近郊の方々が羨ましくなります。

映像なり音源が商品化して欲しいです。

[2. 本気でAOR好き]

私は前回のLiveに参加しました。Vocalの元スタレビの三谷さんは現在達郎さんのコーラス隊としておなじみですけど、若干の毒を含んだMCは達郎さん譲りなのでしょうか・・・
いずれにせよこの面子でアルバムを作ってほしいくらいです。

[3. 松くん]

金澤さま、はじめまして。
いつもブログ拝見しております。

私は大学からAORを聴き始めた32歳です。

私もこのライブの存在をつい最近知りました。
というのも来年公開予定のさらばあぶない刑事の音楽担当が
安部潤さんということを映画の公式ホームページで知ったのがきっかけです。
勉強不足にも存じ上げなかったのでネットで調べたところ
なにやらジャズ・フュージョン系の方々と接点がおありのようで
今から劇中の音楽がどうなるのかとかなりワクワクしております。

金澤様はその辺の情報をお持ちでしたら今後このブログで教えていただけないでしょうか。

よろしくお願いします。

[4. mana]

３０代ですが、AOR好きです。
私の場合は、AORだから好き、というより、たまたま好きになった楽曲が「AOR」だった、って感じで聴くようになりました。
このメンバーでライヴって言葉を目にしただけでも行きたくなりますね。

＞松くんさん
私も新作「あぶ刑事」を安部さんが担当されることHPで知りました。過去のあぶ刑事作品にはSING LIKE TALKINGが参加していたりして、元field of viewの安部さんが担当されることに音楽面でも新作を期待してます。
そういえば、過去のサントラのクレジットを見るとヴォーカルでタマラ・チャンプリンの名前があったりしましたね。

[5. 松くん]

>>manaさん
こんにちは。
コメントどうもありがとうございました。
私はオンエアされていた当時はまだ小学生でしたが
そのころでも音楽の良さがわかっていたと自負しております。

タマラの曲ではOn The Runという曲が好きでした。
イントロのホーンアレンジがすばらしく
なんてかっこいい曲なんだと思ったものです。

あまり書き込むと金澤様にご迷惑となりますので
よろしければここから先は私のメアドまで。

[6. 松くん]

>>manaさん

すいません。
追記です。
メールアドレス
[e-mail]

[7. クラーベ]

遅くに書き込みますが、素晴らしいライヴレポ有り難うございます。通りすがりのAOR好きです☆
セットリストを見るとなかなか唸らされる曲ばかりですが、驚いたのがアル・ジャロウの「Breakin'Away」
これライヴでの再現が難しくアル本人が封印したと記憶している曲です。
おそらくずっとファルセットでの歌唱が難しく、ボーカルが通らないのかな？と個人的には感じていたのですが、それを取り上げて演ってしまう というこのバンドすげ〜な〜！と感心した次第です。

全体的に三谷さんの負担がキツそうな感じですがいかがでしたか？
あ〜行きたかったわ〜(^^)♪

[8. じょんさん]

クラーべさん、ありがとうございます。breakin'awayにそういう裏話があったのは知らなかったです。できればその経緯が掲載されている場所を教えていただきたいです♪この曲の増崎さんのリズムギターがとてもかっこいいです。もちろんソロもですが(笑)。三谷さんのファルセットはソロライブでもたっぷり楽しませてもらっているのでそれほどすごいのかと感じたことがありませんでした(^_^;)。
金澤さんの楽しいレポートで次回はチケットは抽選もあるのではと、ちょっと心配してます。
皆勤記録更新もさせたいし(笑)。

[9. じょんさん]

2月からツアーが始まります。