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B.B.キングの訃報で彼のアルバムを垂れ流しながら仕事をしていたら、今度は大村憲司を聴きたくなった。先月発売されたばかりで、どちらも一回耳を通しただけの、蔵出しライヴ・アルバム2枚。セッション・シーンで活躍した人だから、当然相応のギター・テクニックは持っているけれど、実際はそこじゃなく、プレイの表現力で勝負している。だからB.B.を聴いてるうちに、通じるもノがある大村憲司を聴きたくなったのだろう。

発売されたばかりの “Best Live Tracks 3” 『男が女を愛する時〜A MAN LOVES A WOMAN』は、彼が愛していた歌モノ楽曲中心のカヴァー・ライヴ。タイトル曲や<Summertime>,<Georgia On My Mind>といったジャズやR&Bノ定番スタンダードに加え、お馴染みの<春がいっぱい>、ちょっとユニークなところでイーグルス<I Cn't Tell You Why>、縁浅からぬ仲であった大貫妙子<突然の贈り物もの>を取り上げている。89年5月@神戸メリケンパーク、同12月@チキンジョージ、91年12月@六本木ピットイン、97年4月@チキンジョージ、98年3月@六本木ピットインのステージを収録。バックには盟友である村上ポンタ秀一(ds)、高水健司(b)、青木智仁(b)、斉藤ノブ(perc)、佐藤博(kyd)、小林信吾(kyd)などが参加している。オムニバス『NEW YORK』で取り上げていた<My One And Only Love>では、ゲストで渡辺香津美が参加。スキルでは遥かに先を行くはずの香津美が、「歌モノをブルージィーに弾いたときは憲司の独壇場」と語っているのが印象深い。

一方の“Best Live Tracks 4”は、89年末にチキンジョージで開催されていた『ポンタ・セッション・4デイズ』から、12月30日のステージを丸々収めた2枚組。メンバーは、憲司とポンタ以下、高水健司(B)、続木徹/重実徹(kyd)という顔ぶれで、バンブー時代の<Bamboo Bong>、ソロ定番<Rhythm Road>、終ぞスタジオ録音されなかった<Leaving Home>などのがプレイされる。個人的に涙したのが、『KENJI SHOCK』で演っていたエリック・クラプトンのカヴァー<Better Make It Through Today>。B.B.キング〜クラプトン〜大村憲司と繋がるギターの味わい深さを、とっぷりと堪能して…。