phil manzanera2
ブライアン・フェリーが今年初めにニュー・アルバム『AVONMORE』をリリースしたためか、ここへ来てロキシー・ミュージック周辺が慌ただしい。といっても、ロキシーやフェリーのカタログ発売権が移動したため、何度目かの紙ジャケ・リイシューが行なわれているだけだが。しかも同じタイミングで、ギタリスト:フィル・マンザネラ関係の作品群も権利が移動。まずはソロ名義のアルバムが、紙ジャケ/SHM-CD仕様でリイシューされた。伝説的ユニットのクワイエット・サン、イーノとの801は、追ってのリリースとなるそうである。

さて、77年に登場したこの『LISTEN NOW』は、マンザネラの2ndソロであると同時に、801プロジェクトの2作目でもある。ただしイーノの参加は極めて限定的で、どうも存在感に乏しい。従って自ずとマンザネラのソロ色が強くなり、801はそこに収斂されていくことになる。

メンバー的には、ロキシー・サイドからはイーノの他にアンディ・マッケイ(sax)とエディ・ジョブソン(kyd)。801サイドからはフランシス・モンクマン(kyd/元カーヴド・エアー)とサイモン・フィリップス(ds)。更にクワイエット・サンからビル・マコーミック(b)、10C.C.人脈からゴドレー&クリーム、職人メル・コリンズ(sax)、そしてスプリット・エンズのティム・フィン。

このラインナップが示すように、そのサウンドは決めて多彩でユニーク、かつ進歩的。そもそもロキシー自体が初めはグラム・ロックにカテゴライズされながら、音楽的には全然そこに収まらない個性派集団。それこそ英国産モダン・ポップの草分けというに相応しく、後発バンドに多大な影響を及ぼすのだが、その裏でプログレに接近したり、スワンプ指向を取り入れたりもした。とにかく一筋縄ではいかなかったのである。

それを更にヤヤこしくしたのが、マンザネラのソロ・スタイル。1stソロの『DIAMOND HEAD』こそプログレ/ジャズ・ロック指向が強かったが、ここではヴォーカル陣の充実でメロウなテイストやブリティッシュ・ポップに通じるフレイヴァも感じ取れる。しかもマンザネラの出自に関わるラテン要素もチラリと取り込みながら…。タイトル・ソングを筆頭として、歌モノ曲にはファンキーなクロスオーヴァー的要素も忍ばせている。洒落っ気はないが、ある意味スタイリッシュで都会的。現に<City Of Light>なんて曲もあったりして、英国産AORもの趣きが少々。そういえば、今リイシューのボーナス曲がリミックス音源なのも、何やら示唆であるな。