citrus sun
今日は ブルーイ presents シトラス・サン@Blue Note Tokyo 3daysの初日1st Set へ。4月に出した2ndソロ『LIFE BETWEEN THE NOTES』が好評のブルーイと、突如復活して14年ぶりの2作目を去年春にドロップしたシトラス・サン。この組み合わせにはツボをグリグリ刺激されまくりで、個人的にはインコグニートの定例ジャパン・ツアー以上に大きな期待を寄せていた。

…とはいえ、タイミングから見たら、ブルーイのソロ・ツアーをシトラス・サンがサポートする、という予想が浮かび上がる。しかもシトラス・サンとなれば、英国の職人ギタリスト:ジム・マレンが一緒にやって来る。グラスコー出身のジム・マレンは、デビュー前のアヴェレージ・ホワイト・バンドのメンバーと一緒にバンドを組み、その後ブライアン・オーガー、ココモ、モリッシー=マレンと、UKジャズ・ファンク・シーンの第一線を歩きながら、スタジオ・プレイヤーとして活躍した。近年はテリー・キャリアや旧友ヘイミッシュ・スチュワートと共に来日し、日本で何度もプレイしている重鎮だ。かくいうカナザワも数回マレンの演奏を目の当たりにしているが、その度にイブシ銀の指技に感嘆させられてきた。でもこれまで見て来たのは、いずれも歌伴ばかり。だからインストが増えるであろう今回のステージには、今まで以上の期待を密かに寄せていた。そもそもシトラス・サンとは、ブルーイがジムをフィーチャーしたバンドを作ろうとお膳立てしたもの。そこにホーン・セクションを加え、ちょっとクルセイダーズを思わせる70年代型のクロスオーヴァー・サウンドを聴かせるユニットになった。

ヴェニューに入ると、ブルーイがリコメンドする若手ポルトガル人ギタリスト:フランシスコ・サレスの独演によるオープニング・アクトが終ったところ。代わってステージにはブルーイが登場し、インコグニートと同じ面々から成るシトラス・サンのリズム隊を従えて、ギターも持たずにソロ作から<Caught Up In The Grey>を歌い上げる。続いてサレスとトランペットのケヴィン・ロビンソンが加わって、インコグニート92年作から<L'Arc En Ciel De Miles>をチョイス。やはりブルーイ色の濃いライヴになりそうだ、と思わせた。

そして3曲目から、ジム・マレンがフル・アコのギターを持って登場。挨拶代わりの1曲は、ナンとビックリ、モリッシー=マレンの79年2nd『CAPE WRATH』からの<Soul Eyes>だ。ジャジーで滑らかなフレーズ、箱鳴りのサスティンをそのまま活かしたナチュラル・トーン、そのすべてがワン&オンリーと思えるレジェンドだ。そしてこの曲を境に、シトラス・サンの『PEOPLE OF TOMORROW』からのナンバーやカヴァー曲を織り交ぜながらのセットへなだれ込んでいく。日野皓正<Send Me Your Feelings>、クリストファー・クロス<Ride Like The Wind>、そしてシトラス・サンのアルバムで演じていたマーヴィン・ゲイ<What's Going On>に、テリー・キャリア<What Color Is Love>。そのどれもにブルーイ印のアレンジが施され、メラメラとクールなフレイムを解き放つ。ファンクもラテンもボサノヴァも、ただ陽気に突っ走るのではなく、少しだけエナジーをセーヴしてインテリジェントに響かせる。それが英国流だ。

終盤は、ケヴィン・ロビンソンのとトランペットとジムのギターをダブル・フューチャーし、<Think Twice>と<Love HAs Come Around>というドナルド・バードの2曲でオーディエンスを煽動。本編ラストには、シトラス・サンのアルバム・タイトル曲<People Of Tomorrow>をプレイする。更に「もう1曲聴キタイデスカ?」の声に、これまたビックリ、トム・ブラウン<Funkin' For Jamaice>を繰り出し、ヴェニュー内総立ち。スリーン・フレミングのセクシーな熱唱が、これに追い討ちをかけた。カナザワはもう、イントロのペットのロングトーンで一発昇天でした

ふと見れば、オーディエンスの年齢層はインコグニートよりひと世代上。主流は40代から50代前半といったところで、なるほど着火が遅かったのも理解できる。さすがにみんながジム・マレンのファンとは思わないが、“インコグニートもイイけど、もっとジックリ音を聴きたい” というウルサ型のファンが集まったのだろう。そういう意味では、インコグニートと理想的な差別化ができたのでは? 米スムーズ・ジャズ勢とは違った、バンド感覚の強いハイ・ヴォルテージのライヴを堪能した夜だった。

そういえば、Blue Note Tokyoは明日からアヴェレイジ・ホワイト・バンド。マレンの飛び入りなんて、あり得ないかな?

1st set
1. CAUGHT UP IN THE GREY
2. L'ARC EN CIEL DE MILES
3. SOUL EYES
4. MAIS UMA VEZ
5. SEND ME YOUR FEELINGS
6. RIDE LIKE THE WIND
7. WHAT'S GOING ON
8. WHAT COLOR IS LOVE
9. COLUMBUS AVENUE
10. COOKING WITH WALTER
11. THINK TWICE
12. LOVE HAS COME AROUND
13. PEOPLE OF TOMORROW
-- Encour --
14. FUNKIN' FOR JAMAICA