shinkawa
今日は、長年 日本のポップス/歌謡シーンで活躍している名アレンジャー/キーボード奏者にして、往年のユーミンやハイ・ファイ・セットのツアー・バンドでプレイしてきたことで知られる新川博の、還暦 “60th Anniversary Live” にして業界デビュー40周年ライヴ@目黒Blues Alley Japan。昨年は Sparkling☆Cheery のアレンジでお世話になり、そして最近では、今は閉じてしまったビクター内レーベル aosis recordsの音源が近々ハイレゾ配信スタートということで、先月その取材をさせて戴いたばかり。新川さんは、そのaosisのコ・プロデューサーでもあった。

ちゃんちゃんこの代りに、この日は真っ赤な帽子を冠って鍵盤に向かった新川さん。とにかく今日は超豪華ゲストを多数迎えてのステージということで、各テーブルには《本日の音楽メニュー》と題されたセット・リストとプレイヤー一覧が置いてある。まずはそれを紹介しよう。

 【1st set】
1. 4月のスケッチ / 新川博
2. A Song For You / 新川博+瀬戸奏(vo)
3. I Won't Last A Day / The Shinkies(新川・六川正彦・濱田尚哉)+瀬戸奏
4. Boogaloo Man / The Shinkies
5. 白い森 / VIVA (新川・石井治郎・市川祥治+濱田尚哉)
6. Baby Come Back
7. Break Down Dead Ahead
8. Desperado
    / Fianchi(新川・シメ・今井マサキ・近藤昌・濱田尚哉・田中章弘・玉木正昭)+松原正樹

 【2nd set】
1. I Can't Make You Love Me
2. ダニーボーイ
3. Come a my House
4. テネシーワルツ / Trio Phone (新川・林立夫・井手麻理子)
5. Let It Be Me / 新川+ブレッド&バター
6. ホテル・パシフィック
7. あの頃のまま
8. 湘南ガール /ブレッド&バター・Fianchi + 松原正樹

  【Encour】
1. ピンク・シャドウ
2. Hey Jude / Full Member

1stステージは、ゆらめくようなローズ・ピアノのソロ・プレイで、最近書いたというオリジナル曲でスタート。次いで北海道で活動するシンガー:瀬戸奏を迎え、カーペンターズ等でお馴染みの曲を、デュオとShinkiesで披露した。奏嬢はかなり緊張している風で、ちょっとピッチが不安定だったものの、初めて聴くその歌声は稀有なディープさを秘めていた。続いては、かつてのユーミン・バンドの顔ぶれを中心にしたVIVAで、ジョン・メイオール&ブルースブレイカーズのカヴァー。新川さんは豪快なオルガン・サウンドを聴かせ、Charとロック・バンドを組んでいたという中学時代を髣髴させる。結成8年目となった Fianchi(フィアンキ)は、シメを柱としたヴォーカル3人の大所帯バンド。ココ Blues Alleyで定期的にライヴを行なっているが、プレイヤーとボズ・スキャッグス、イーグルズというAORな3連発に、思わず身を乗り出したカナザワだった。

しばし休憩の後は、最近道東を廻って来たばかりというTrio Phoneのステージから。ノッケからボニー・レイットのカヴァーで、麻理子嬢の素晴しいヴォーカルに酔わされる。もちろん歌の上手い人なのは分かっちゃいたが、こういうヴェニューで、しかもこの熟練2人とガチ。なのにヴォイス・コントロールは完璧で、些かの乱れもなかった。彼女は『MARIKO Sings CHIEMI ERI~井手麻理子 江利チエミを歌う』というアルバムを出したばかり。新川さんもアレンジで深く関わっている。洋楽ながら歌謡スタンダードとしても知られる3曲は、まさにそこからのピックアップであった。林立夫さんの馬鹿デカい特注カホンにも驚いたが、ドラマーらしく、カホンにハイハットやシンバルなどの鳴りモノを加え、ブラシでリアルなグルーヴを叩き出していた辺りもユニークだった。

Trio Phoneと入れ替わりで登場したのは、aosisに新川さんアレンジのアルバムを残すレジェンド:ブレッド&バターの2人。兄・幸矢さんは湘南で仕事を済ませてからの会場入りで、リハーサルなしのぶっ付け本番。弟・二弓さんはワインの飲み過ぎで既にでき上がってる状態。確かにどちらも歌はヨレヨレだが、この兄弟が歌うだけで独特の雰囲気を纏い、ステージを自分色に染めてしまうのだからスゴイ。還暦の新川さんに対し、幸矢さんは更にそのひと回り上だそうだが、歌声はホントに “あの頃のまま” だ。しばらくぶりに観るブレバタだったが、そのホンワカ・テイストにあてられ、年末のライヴには足を運ぼう!と強く思った。

ステージがハネると、楽屋近くは多くの関係者でごった返し。療養後の初ライヴとなる松原正樹さんは、少し痩せたものの、「もう大丈夫」とのことでひと安心。paris matchの2人も観に来てて、こちらも久々の再会が嬉しかった。