pablo cruise 015
前回の来日が33年ぶりだったので、最初に来再来日のニュースを聞いた時は、 “あら、もう来るのネ” と思った。が、実はもうあれから3年も経っていてビックリ もっとも間にはA&M時代の7作品が紙ジャケ/高音質でリイシューされ、そのすべての解説を仰せつかったりしていたので、彼らの音と無沙汰していたワケではないんだけれど…。でもやっぱり、月日の流れるのは早いわぁ〜

前回は3dayの中日に出掛け、ほぼフルハウスのヴェニューが熱気ムンムン。ホロ酔い加減のおっさんサーファーとダンクラ好きが多いようで、小うるさくもノリが良くて大いに盛り上がった。とにかく再結成ライヴ盤がスゴく良い出来だったので、当然ジャパン・ツアーにも期待したが、実際はそれを遥かに上回るパフォーマンス。“次も絶対見逃せないぞ” と思った、その “次” が早くもやって来た。

今回観たのは3day初日の2nd Show。入りは8割程度で、金曜ということもあってかダンクラ・ファンは少な目。雰囲気も比較的落ち着いており、前回の盛り上がりとは空気が違う。それでもパブロの面々の熱演ぶりは些かも変わらず、素晴しいステージを披露してくれた。

オープニングは<Cool Love>と、前回とは一変してやや軽めのスタート。そのあともラテン・ファンク調のインスト・ナンバー<El Verano(放浪者のテーマ)>、<Atlanta Jane>や<Island Woman>など、準代表曲的なナンバーが続き、ノリの良さの中にも割と落ち着いて聴かせるステージ序盤になった。セットが進むと<A Place In The Sun>や<World Away>でジワジワと盛り上げ、そして壮大なインスト<Zero To Sixty In Five>へ。更に<Love Will Find A Way>、日本で人気の< I Want You Tonight>、ラテンな<I Go To Rio>、そして<Whatcha Gonna Do>で本編エンディング。立って踊り出す人はまばらだったが、パフォーマンスの内容に遜色などなく、メンバー4人のうち3人が歌えるという強みを再認識した。サウンドメイクもあくまでコリー・レリオスのピアノとデヴィッド・ジェンキンスのギターが主体で、シンセはほとんど使わず、悪戯に音を厚くしたりしない。だからコーラスやリズムの活きの良さがダイレクトに伝わってくる。今回は特にギターが艶やかに鳴っている気がして、滑るようなデヴィッドのアドリブが印象的だった。

そして、もうひとりのオリジナル・メンバー:スティーヴ・プライス(ds)なかなかイイ味を出していて。ドラム・スキル的にはそう卓越しているワケではないが、ちょっと大きめのアクションで、パーカッション系の鳴り物を交えながら小気味良いグルーヴを叩き出す。表情も終始ニコヤカで、何だかリタイアしたオッサンが趣味でバンドを楽しんでいる感じ。他のメンバーもみんな彼と目を合わせては柔和な表情になるから、言わばムード・メイカー的存在なのだろう。音楽的にはコリーとデヴィッドが牽引しているのは間違いないが、このドラマーが潤滑油の役割を果たし、バンド内の人間関係を円滑に保っているようだ。そういえば再結成のキッカケも、この人の再婚パーティがキッカケではなかったかな?

とにかく彼らの誠実で真面目なステージングには、元気を貰える。再結成後はライヴ盤しか出していないけれど、こんな良いステージを見せられるのだから、今度は是非ニュー・アルバムを作って欲しいところだ。

1. COOL LOVE
2. EL VERANO
3. ATLANTA JUNE
4. ISLAND WOMAN
5. WORLDS AWAY
6. PLACE IN THE SUN
7. ZERO TO SIXTY
8. DON'T WANNA LIVE
9. I WANT YOU TONIGHT
10. LOVE WILL FIND A WAY
11. I GO TO RIO
12. WHATCHA GONNA DO
-- Encour --
13. WILL YA, WON'T YA