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『CODA(最終楽章)』で始まる熱い8月。Zeppの最新リマスター&未発表音源シリーズ完結編となる『PRESENCE』、『IN THROUGH THE OUT DOOR』、『CODA』が到着した。ジックリ聴いてる時間はしばらくなさそうなので、まずは各アルバムのコンパニオン・ディスク(未発表音源集)のみを手に。そのうち『PRESENCE』と『IN THROUGH…』のの2枚に関しては、レファレンス・ミックスやラフ・ミックスのい発掘音源が中心で、これまでのリリースに比べ発見や驚きは少なかった。おそらくこの時期は、余計なマテリアルなど創らず収録曲のみに神経を集中させていたから、オープンにできるような蔵出し音源がなかったのだろう。
その代わりに面白く聴けたのが、3枚組に拡大された『CODA』。元々このアルバムは、ジョン・ボーナムの急死によって生まれた未発表音源集だから、今回の主旨にはある意味打ってつけだったワケで、予想通り興味深いテイクが詰まっている。コンパニオン・ディスクも『CODA』では2枚。それでもオリジナル収録曲の別ヴァージョンはわずか2曲で、08年紙ジャケ・ボックス版に既収録の3曲を除いても、ワクワク気分で残り10曲がで楽しめる。

一番の聴きモノは、オフィシャル初となるボンベイ・オーケストラと共演した<Four Hands (Four Sticks)>と<Friends>の2曲か。Zeppが単なるハード・ロック・バンドの止まらないのは、デビュー時からトラッドやインド音楽などのワールド・ミュージック的探究心を抱いていたからだが、その重要なプロセスが、ジミー・ペイジ&ロバート・プラントによる72年のインド訪問ではなかったか。

また2枚のコンパニオン・ディスクを通して聴いて思ったのは、やはりボンゾの存在感の大きさだ。それはドラム・ソロをペイジがエディットした<Bonzo's Montreux>なんかよりも、<Poor Tom>や<St. Tristan's Sword>で聴ける強靭なグルーヴ、圧倒的なエナジーに濃厚に宿っている。ペイジが練り出すリフに、最上級のリズム・パターンとグルーヴを提供する。その着想の部分は、一緒にZeppサウンドを完成させていったボンゾだからこそで、他のどんな名ドラマーでも太刀打ちできない部分だったのではないか。だからこそ彼らはボンゾの後任を探さず、グループの解散を決めたと思う。

<Desire(The Wanton Song)>や<Every Makes It Through(In The Light)>が、どうして『PHYSICAL GRAFFITI』ではなくてココにという謎はあるが、『PHYSICAL GRAFFITI』好きの自分としては、この2曲もあのアルバムも青写真が見られたようで興味深かった。

…というワケで、時々ブリ返してしまうカナザワのZepp熱。イヤ、それにしても熱いワ…