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実は密かに心待ちにしていた第2期ゴングの初紙ジャケ再発。プログレ的要素の強い『ANGEL'S EGG』や『YOU』あたりは、ゴングの代表作とされるだけに今回のラインアップにも入っているが、実際はもう何度もリイシューされているので、あっさりパス。でもピンク・フロイドのニック・メイソンがプロデュースした『SHAMAL(砂の迷宮)』、アラン・ホールズワース弾きまくりの『GAZEUSE!』、そしてこの『EXPRESSO II』と『GONG LIVE』は、シッカリ予約してゲットした。一般的な代表作は、“ラジオ・グノーム・インヴィジブル”シリーズで知られる『YOU』だけれど、カナザワにとってのゴングは何よりも『GAZEUSE!』と『EXPRESSO II』。もしコレにハマってなければ、ゴングやアラン・ホールズワースを真剣に聴くことはなかったかもしれない。


『EXPRESSO II』は78年の発売。“II”になっているのは、前作『GAZEUSE!』が米国では『EXPRESSO』というタイトルで発売されたためで、内容的にも姉妹作品と言える。すなわちプログレではなく、全編インストのジャズ・ロック〜クロスオーヴァー。しかもこのアルバムでは4人のメンバー中3人が打楽器奏者、残りのひとりがベースという完全なリズム・ユニット状態。ただしフランスのグループらしく、打楽器といってもラテン・パーカッション系ではなく、ドラムの他はヴィブラフォン、マリンバ、シロフォン、グロッケンなど音階を奏でるものがほとんどだ。なのでそれがユニークな雰囲気を醸し出していて、リズム・コンシャスなのにメロディが豊か。新人ベースも意外にブリブリと黒いノリで、それを後方支援する。

更にそこへ呼ばれたソロイストたちが、『GAZEUSE!』のメンバーだったアラン・ホールズワースを始め、ストーンズを脱退したミック・テイラー、元カーヴド・エアーのヴァイオリン奏者ダリル・ウェイと曲者揃いで。とりわけ<Heavy Tune>に参加したミック・テイラーが、あのアラン・ホールズワースをバッキングに廻らせて堂々と引っ張るようなギター・ソロを披露しており、これが絶品。翌年ミック・テイラーの初ソロ作に当時のゴングの中核ピエール・ムーラン(ds)が参加したのは、これが伏線になっていたワケである。

デヴィッド・アレンのいない第2期ゴング最終作であると同時に、全盛期メンバーが誰もいなくなっての初アルバムでもあった本作。これ以降グループは “ピエール・ムーランズ・ゴング” を名乗るので、その前哨戦という位置づけもできる。もはやプログレではないが、米国産フュージョンとは違う欧州産ジャズ・ロックのユニークさを感じさせる好作として、とても印象深い。

今になってよーく思い出すと、初めてこのアルバムの曲を聴いたのは、渋谷陽一の『ヤング・ジョッキー』だったかも? それ聴いて気に入って、レコードを買いに行ったような気がする。