dave gilmore
ピンク・フロイドのギタリスト:デヴィッド・ギルモアの、9年ぶりの4thソロ・アルバムが到着。自分でデラックス・ブルーレイ・ディスク・エディションをオーダーしていたが、何故か今 それと通常盤の2組が手元にある…

このアルバムは、ピンク・フロイド最終章となった『THE ENDLESS RIVER(永遠)』の制作と並行してレコーディングが行われたとのこと。ギルモアは06年に出した3rdソロ『ON AN ISLAND』の大規模ツアーでフロイドの定番曲を大幅にレパートリーへ取り込み、同年5月のロイヤル・アルバート・ホール公演、ツアー最終日となる翌07年11月のグダニスク公演を、それぞれ映像作品として発表した。そしてフロイドの活動停止=実質的解散を宣言。それはつまり、今後はギルモア・ソロとフロイドが不可侵ではなくなることを公表したワケだ。

ところがその発言直後に、ギルモアのツアーに参加していた盟友リック・ライトが急逝。それを機に追悼の意を込めて作られたのが、『THE DIVISION BELL(対)』の未発表テープを元に作られた『THE ENDLESS RIVER』だった。好曲<Louder Than Words>以外はインストゥルメンタルで占められたこともあって、前評判ほどの評価は得られなかったが、それでも世界20ヶ国でチャート首位を取ったというから、さすがフロイドである。

そういった経緯を経ての本作『RATTLE THAT LOCK(飛翔)』。そしてその音は、当然の如く『ON AN ISLAND』の延長にあり、『THE ENDLESS RIVER』以上にフロイドしていて、『鬱』や『対』にも近い。要するに、言わずと知れた典型的ギルモア節だ。これはもうどうにも変えようがなく、今もあのクリアなロング・トーンのギター・ソロが看板になっている。ただし、当たり前のことだが、そこにリック・ライトはいない。

リリースのアナウンスから間もなく先行して音源が解禁されたタイトル曲<Rattle That Lock>は、かつての<Another Brick In The Wall>を髣髴させるファンキーなグルーヴが特徴。個人的にはロキシー・ミュージックや、80年代のブライアン・フェリー(ギルモアも絡んでいた)を思い出したりしたが、共同プロデュースにはやはり、近年ギルモアと親交の深いフィル・マンザネラが絡んでいる。またソウルフルなコーラス隊には、かのミーシャ・パリスの名も。更にイーノの弟ロジャー・イーノ、どジャズの<The Girl In The Yellow Dress>にはジュールズ・ホランドやロバート・ワイアットが参加している。叙情的なスロウ・チューン<A Boat Lies Waiting>は、亡きリック・ライトに捧げられたナンバー。そこで聴ける印象的なハーモニーは、『ON AN ISLAND』にも参加したデヴィッド・クロスビー&グレアム・ナッシュが歌っている。<In Any Toungue>はモロに<Comfortably Numb>調でドラマチック。

これを類型的と見るか安定と見るかは、もう好みの問題といえる。これならフロイド旧作でイイじゃん、という人だっているだろう。けれど、今更ギルモアに新機軸など求めない、という方なら、これで充分に満足できる。

ちなみに昨日のNHK-FM『今日は一日プレグレ三昧 The 4th』では、ゲストのほとんどがフロイド、クリムゾン、イエス、ジェネシス、ELPをプログレ5大バンドに選んでいました。カナザワがそこに加えて10大バンドにするなら、キャメル、UK、PFM、キャラヴァン、ブルッフォード、あたりかなぁ…。

下記は左から、デラックスBD、デラックスDVD、スタンダード国内盤、スタンダード輸入盤。