steely dan_katy
ウィルトン・フェルダーに続いて今日も訃報が…。亡くなったのは、ジャズ・サックス奏者のフィル・ウッズ。チャーリー・パーカーの後継アルト奏者として高く評価され、50〜60年代にはディジー・ガレスピーやクインシー・ジョーンズのビッグ・バンドでソリストを務めたあと、自身のクインテットを率いて活躍。数多くのリーダー作を出す一方、ビリー・ジョエル<素顔のままで>を筆頭に、ポール・サイモンやアレサ・フランクリン、カーリー・サイモン、ベン・シドランなど、歌モノ・セッションでも印象的なブロウを残している。享年83歳。

カナザワ的には、正直フィル・ウッズに強い思い入れはない。名前を聞いて真っ先に浮かんだのも、ビリーの<素顔のままで>の流麗なソロだ。けれど、ウィルトン・フェルダーにフィル・ウッズ…、と考えていて、ふとのこのスティーリー・ダンの4作目『KATY LIED(うそつきケイティ)』(75年)に両人が参加していたことに思い当たった。

スティーリー・ダンは、前作『PRITZEL LOGIC』からワークショップ形式のレコーディングを行うようになり、この『KATY LIED』では若き日のジェフ・ポーカロ(ds)とマイケル・マクドナルド(back vo)を重用。鍵盤ではマイケル・オマーティアンがドナルド・フェイゲンの右腕となり、デヴィッド・ペイチも参加している。ギターはウォルター・ベッカーと、まだメンバーだったデニー・ダイアスほか、リック・デリンジャー、ディーン・パークス、エリオット・ランドール、ヒュー・マクラッケンに、初参加のラリー・カールトンという総勢7人。そこにベースでウィルトン・フェルダー、チャック・レイニー、1曲ドラムでハル・ブレイン、そして<Doctor Wu>のアルト・ソロでフィル・ウッズが参加していた。相次いで鬼籍に入ったウィルトンとフィル・ウッズがセッションで顔合わせした可能性は低いけれど、ポップ・ロック系セッションは多くなかったウッズだから、2人が同じアルバムでプレイしているのは貴重といえる。しかもドラムがジェフだなんて…

というわけで、みんな合わせて、もう一回 Rest in Peace...