steve arrington
何だか唐突に来日した感アリアリのスティーヴ・アーリントン(元スレイヴ)、来日公演2 days。その初日2nd Showを観た@Billboard Live Tokyo。もちろんデイム・ファンクとのコラボ作ありきの来日ではあるけれど、そのデイム・ファンクの来日に同行するならまだしも、約1ヶ月も先んじて “出し抜き来日” するとは思わなんだ。

Hall Of Fameを率いていた頃ならともかく、80年代終盤以降、ほとんど表舞台には出てこなくなったアーリントン。スレイヴ時代の作品はボチボチ再発が進んだが、ソロ作の方のカタログは、この1作目以外まったくの未CD化なのではないか。ディスコ〜ブギー・ファンクが盛り上がりを見せ、急にレジェンドとして持ち上げられたが、意地悪な見方をすれば、ナイル・ロジャースに対してのアーリントンなワケで…。しかも地道にライヴを続けてきたナイルとは対照的に、どんなパフォーマンスを見せるのか想像できなかった。そもそもがドラマー出身のマルチ・プレイヤーだし、むさいルックスの割にナヨった感じのヴォーカルもライヴではどうなのよ、って感じで。

客電が落ちてステージに上がったのは、女性シンガーを含め6人。みんなバック・バンドのメンバーかと思ったら、でっぷりしたB系中年のオッサンがアーリントン本人で驚いた。恰幅よくなってるのは分かってたが、Billboard Liveさんが使ってたアー写の精悍さはなく、ちょっとアニメ・キャラになりそうなオッサン。どうもイメージと違ってしまったが、まずはスレイヴ時代のヒット曲<Just A Touch Of Love>でスタート。フロントにティンバレスが置いてあるので、シーラE.よろしくスティック振りまわして歌うのか、と思ったら、気が向いた時のお慰み程度だった…。

それでも意外にバンドはノリが良く、ニュー・ソウル時代の生き残りみたいな女性バック・シンガーやロック寄りのギタリストもイイ感じで。6弦のスラップ・ベースだけは、ビートは重いのに音そのものには重量感がなく空回り気味に感じたものの、アーリントン自身はブランクが長かった割には不思議な現役感がある。逆に言えば、それだけ独特なスタイルの唱法ということか。それとも日本に伝わってこなかっただけで、ローカルな活動をやってたのかしらネ(汗)

カナザワ的には、スレイヴもアーリントンのソロもリアル・タイムで聴いていたが、それほど聴き込んでたワケじゃなく、アンコールで登場の<Watching You>など、代表曲なら分かる程度。せっかく女性シンガーがいたのだから、スレイヴのヒット・メドレーでも演ってくれればもっと盛り上がったのに、<Stone Jam>さえ聴けずチト残念。それでも貴重なライヴだったのは確かで、普段はフロアでブイブイ言わせてそうな中年オーディエンスや、80'sブギーにヤラレた若い世代は大いに盛り上がっていた。

 《Set List》※吉岡正晴氏のブログから引用しました
01. Intro
02. Just A Touch Of Love (Slave - 1979)
03. Nobody Can Be You (Steve Arrington’s Hall Of Fame – 1983)
04. Dancing In The Key Of Life (Steve Arrington – 1985)
05. Wait For Me (Slave -1981)
06. For The Love Of You (Slave – 1982 from album “Visions Of The Lite)
07. Beddie Biey (Steve Arrington’s Hall Of Fame – 1983)
08. Way Out (Steve Arrington’s Hall Of Fame – 1982)
09. Feel So Real (Steve Arrington – 1985)
10. You Meet My Approval (Steve Arrington’s Hall Of Fame – 1983)
11. Weak At The Knees (Steve Arrington’s Hall Of Fame – 1983)
Enc. Watching You (Slave-1980)