elton john japantour
行ってきました、観てきました。エルトン・ジョン&ヒズ・バンド@横浜アリーナ。出掛ける前は、多少声が出てなくても仕方ないかな、なんて思っていたが、これがトンでも八分歩いて十分。声量豊かに ほぼ2時間半、歌いっぱなしだった。MCも曲紹介程度のシンプルなモノで、矢継ぎ早にどんどんヒット曲を繰り出す。それほど熱心なファンではないカナザワも、「あ、こりゃスゴイわぁ」と言っちゃうような、名曲だけをタップリ詰め込んだ、実にスキのないステージだった。

WOWOWの生中継が入っていたせいか、定刻からわずか3分遅れほどでエルトン登場。ラインストーン(スワロフスキーか?)をあしらった群青色の衣装を着込み、背中には『マッドマン』のロゴ刺繍。往年は奇抜な衣装で話題をさらったエルトンも、最近はさりげなくオシャレだ。

ヒズ・バンドのメンバーは、デイヴィー・ジョンストン(g)、ナイジェル・オルソン(ds)という全盛期の2人に、マット・ビソネット(b)、キム・バラード(kyd)、ジョン・マホン(perc)の5人。パツキンのロン毛で若々しさを保っているデイヴィーに対し、完全にお爺ちゃんと化していたナイジェルだったが、デヴィッド・フォスターが「バラードを叩かせたらピカイチ」と評した通り、スロウ・ナンバーでのタム使いに彼一流のセンスが光った。

エルトン自身は07年の弾き語りツアー以来8年ぶりの来日だが、バンドを率いて、となると実に01年以来14年ぶりとか。でも実を言うと、カナザワは今回が初エルトン。全盛期は<Goodbye Yellow Brick Road>や<Your Song>に惹かれながらも、それほど熱心に聴いていたワケじゃなく、バンドで来たら観に行こうと思ったのは、90年代になってから。でもそれからはビリー・ジョエルと一緒だったり、ソロ・ツアーだったり。肝心の01年ツアーは、何故か行き損ねてた。なので今回は待望のバンド・ツアー。来日を知り、「さいたまから新横浜は遠いなぁ…」と嘆きつつも、迷うコトなくチケットをゲットした。

詳しいセットリストは以下の通りだけれど、まずは代表アルバム『GOODBYE YELLOW BRICK ROAD(黄昏のレンガ路)』の冒頭を飾った荘厳なメドレーでオープニング。センター席(俗に言うアリーナ席)は早くも総立ちとなった。そして余韻を断ち切るように始まった<ベニーとジェッツ>のリフに、早くも感動。<Daniel>から<Goodbye Yellow Brick Road>に至る中盤の流れも、オヤジ・ファンには堪らないものがあった。演出らしい演出はなく、ステージ後方のスクリーンに時折懐かしい映像が映る程度。これだけ大きなスケールのステージなのに、それこそエルトンの音楽以外、そこには何も存在しない。そのシンプルさが、余計に彼のメロディの魅力を引き立てる。エルトンは、ファンが自分に何を求めているのか、それをシッカリ分かっているのだ。

後半は少し新し目のヒットを交えつつ、ロックン・ロールとバラードを程よく編み込んで、ダレることなくそのまま一気にエンディングへ。ふと気づけば、本編23曲中7曲が『GOODBYE YELLOW BRICK ROAD』から。1枚モノのアルバムを作るつもりが次々に好曲が生まれてきて、急遽2枚組にしたという最大のヒット・アルバムだけに、やはりエルトンにとっても特別な作品なんだな。

アンコールに現れたエルトンは、気さくにステージ前方のファンたちを握手を交わし、そのままプチ・サイン会へ突入。結構多くの人たちにサインし、最後は<Crocodile Rock>でブチかましてロックン・ローラー的大団円。とにかく、エルトンの元気な姿とヒット曲のオン・パレードに、お腹いっぱいの夜となった。

この日本公演の後は極東〜アジアを周り、クリスマス/ニュー・イヤーを挟んで、恒例ラスヴェガスでの長期公演に入るエルトン。2月にはニュー・アルバム『WONDERFUL CRAZY NIGHT』の発売もアナウンスされている。早くも次の来日を楽しみにしている自分だ。

1. Funeral For A Friend〜Love Lies Bleeding
2. Bennie And The Jets
3. Candle In The Wind
4. All The Young Girls Love Alice
5. Levon
6. Tiny Dancer
7. Believe
8. Daniel
9. Philadelphia Freedom
10. Goodbye Yellow Brick Road
11. Rocket Man
12. Hey Ahab
13. I Guess That’s Why They Call It The Blues(ブルースはお好き?)
14. The One
15. Your Song
16. Burn Down The Mission(布教本部を焼き落とせ)
17. Sad Songs
18. Sorry Seems To Be The Hardest Word(悲しみのバラード)
19. Don’t Let The Sun Go Down On Me(僕の瞳に小さな太陽)
20. The Bitch Is Back
21. I’m Still Standing
22. Your Sister Can’t Twist
23. Saturday Night’s Alright For Fighting(土曜の夜は僕の生きがい)
 - Encore -
24. Crocodile Rock