kenpon_band
98年に肝硬変により49歳で亡くなった不世出のギタリスト、大村憲司。その命日である11月18日に、彼のライヴ音源を発掘しているベスト・トラック・ライヴ・シリーズ最新作『ケンポン・バンド〜Best Live Tracks VI』が発売された。しかも、すべて未発表音源による2枚組という貴重な一品である。

ケンポン・バンドというのは、大村憲司と村上ポンタ秀一が主導したユニット形式のバンドのこと。80年代末から、主に故・青木智仁(b)、小林信吾(kyd)との4人で活動を展開していたが、晩年に当たる98年3月には、憲司、ポンタに佐藤博(kyd)、高水健司(b)というオール関西人の同世代ラインナップで、六本木ピットインと神戸チキンジョージに2日づつ出演した。その4日間のステージからベスト・テイクを厳選してアルバム化したのが本作。スタジオでは顔を合わせていたはずの憲司と佐藤だが、ライヴでの本格的共演はなかったらしく、お互いにジョイントを熱望していたとされる。

事実この2人の共演は、1+1以上の相乗効果をもたらすものに。ブルース・バンドでの経験やニューオリンズ・スタイルのファンキー・プレイが得意で、尚かつL.A.での武者修行で腕を磨いた佐藤に触発されてか、憲司のギターがいつにもまして雄弁。更にビートルズやプレスリーを敬愛する佐藤をヴォーカルに立てているが、ケンポン・バンドでもビートルズ・カヴァーに挑戦していたから、相性は極めて良かったのだ。それと同時に、このケンポン・バンドでのライヴは、これまでのBest Live Tracks シリーズでも白眉なのは間違いナシ。リアルに弾けるミュージシャンたちの壮絶なインタープレイが、この2枚組に詰まっている。

なお、音楽ニュース・サイトのBARKSにて、村上ポンタ秀一が大村憲司について語っているインタビュー記事が掲載されているので、興味のある方は要チェック。