hawkwind
年も押し迫ったココへ来て、モーターヘッドのレミー(キルミスター)が28日、ガンのためL.A.の自宅で急死した。この数年体調不良が続いていたそうだが、今月初めまでステージを務め、24日に70歳の誕生日を迎えたばかり。その2日後に進行性の癌が判明したところだったという。

レミーといえば、ロック・シーンきってのカリスマ・ミュージシャンのひとり。ラウドな爆走ロックン・ロールを身上とするモーターヘッドを率い、今年でちょうど40年目を迎えていた。モーターヘッドは一般的にハード・ロックやヘヴィ・メタルにカテゴライズされるが、レミー自身はむしろパンクにシンパシーを抱き、デビュー当時からスラッシュ・メタルやハードコア・パンクを内包する攻撃的サウンドを展開していた。

それ故カナザワ個人としては、モーターヘッドには思い入れはなく(ファンの方、スミマセン)、レミーといえばホークウインド、という印象が強い。レミーの参加は、72年の3作目『DOREMI FASOL LATIDO(ドレミファソラシド)』から、この75年作『WORRIOR ON THE EDGE OF TIME(絶体絶命)』までのスタジオ作3枚と、代表作にも数えられる名ライヴ盤『SPACE RITUAL(宇宙の祭典)』の計4作のみ。それでもホークウインド黄金のラインナップと言われるのがこの時期だし、“スペース・ロック” という冠が定着したのも『ドレミファソラシド』や『宇宙の祭典』で、だった。

前作に当たる4作目『HALL OF THE MOUNTAIN GRILL(永劫の宮殿)』で、ハイ・タイドやサード・イヤー・バンドにいたサイモン・ハウス(violin,kyd/のちデヴィッド・ボウイ・バンド)が加入したことから、プログレ色が増量。ところがツアー前にレギュラー・ドラマーがケガを負い、ステージをこなせなくなったため、トラのドラマーがツアーに参加する。その後作られた本作は、ダブル・ドラムを擁す変則6人編成での制作。しかもサイモン・ハウスが弾くメロトロンの活躍もあって、作品のトーンはよりシンフォニックになった。スタイル変遷が続くホークウインドの足跡にあって、最もプログレ寄りの仕上がりである。UKアルバム・チャート13位は、彼らのスタジオ・アルバム最高位。中心メンバーであるデイヴ・ブロック(g,syn)も、本作を “ホークインドの頂点のひとつ” と見なしているようだ。

が、良い時は長く続かなかった。プロモーション・ツアーのために米国へ渡ったところ、レミーが麻薬騒動に巻き込まれて逮捕・拘留。バンドは急遽代役を立ててスケジュールをこなし、レミーはそのままバンドを追われることになった。こうして独立せざるを得なくなったレミーは、シングルのカップリングに収めたアルバム未収曲<Motorhead>をバンド名にした自分のトリオを結成するに至る(本作にボーナス収録)。

レミーの急死を機に、こうして久々に初期ホークウインドを引っ張り出してみたが、サイケデリック色の強いデビュー時からスペース・ロック、そしてシンフォニックなプログレ方面へと、彼らのサウンドはどんどん変化していく。そしてその中に、後のモーターヘッドに繋がるラウドな楽曲もジワリ萌出。それがホークウインドのユニークさを際立たせていた。

改めて、レミーに Rest in Peace...