lesley gore
今年2月、肺がんのため68歳で亡くなった60'sの人気ポップス・シンガー、レスリー・ゴーア。当時の作品は着々と復刻が進んでいるけれど、いつの間にか72年にリリースした隠れ好盤も、初めてリイシューされていましたッ!

ハイスクールに通いながらパーティーやラウンジで歌っていたレスリーは、マンハッタンのホテルで歌った時にたまたま居合わせたクインシー・ジョーンズに見出され、すぐさまデビュー。初シングル<涙のバースデイ・パー ティ(It's My Party)>が全米No.1ヒットになり、瞬く間にティーン・ポップ・アイドルへと駆け上がった。3週後に坂本九<スキヤキ>に首位の座を明け渡したが、後続シングルもビートルズに阻まれながら それぞれベスト5入りし、高い人気を確立する。

そのレスリーが、やがてアイドルを卒業。しばしのブランクを経て発表したのが、全曲自作に挑戦したこのシンガー・ソングライター作品『SOMEPLACE ELSE NOW』である。その佇まいは、当然のごとく、かつて楽曲提供を受けていたキャロル・キング『つづれおり(TAPESTRY)』風。言わば、かつてのアイドルが時代の風に吹かれて、レディへと成長した姿をアピールする、そんな内容になっている。

アレンジはアーティー・バトラー、マイケル・オマーティアン&ジミー・ハスケルら。 残念ながら詳細なクレジットが見当たらないのだけれど、レーベルがモータウン参加のMowestなので、推して知るべし。70年代のレスリー・ゴーアというと、このあと再びクインシー制作でリリースした76年作『LOVE ME BY NAME』が知られているが、これもシットリ、なかなかの味わい深い。