heavy cream
英国エンターテイメント界のレジェンドのひとりであるロバート・スティグウッドが、4日に亡くなった。享年81歳。現在のところ、死因は伝えられていない。ニュース・サイトの多くは、“ビー・ジーズ全盛期のマネージャー” という報道をしているが、ビートルズから洋楽に入った(とはいえ本体の解散後)カナザワとしては、ビー・ジーズよりもエリック・クラプトンをスターにした、というイメージが強く、ブライアン・エプスタイン(ビートルズのマネージャー)の次くらいに名前を覚えたノン・ミュージシャンの洋楽業界人だった。

オーストラリアのアデレード生まれのスティグウッドは、50年代に英国へ渡り、興行主やマネージメント業でメキメキ頭角を現している。その後ビー・ジーズを発掘し、ザ・フーやクリームのマネージメントを担当。同じ頃、エプスタインの会社NEMSエンタープライズにも深く関っていたそうだ。73年にRSOレコード(RSOはロバート・スティグウッド・オーガニゼーションの略)を創設。日本のロック・ファンにはお馴染みの赤べこマークは、レーベルの立ち上げ準備中の時期にザ・フーに帯同して来日し、土産物の赤べこをいたく気に入ったことに由来する。

音楽と平行して演劇界にも進出。『ヘアー』や『ジーザス・クライスト・スーパースター』といったミュージカル、『サタデイ・ナイト・フィーヴァー』や『トミー』『グリース』『ステイン・アライヴ』といったヒット映画を製作したが、『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』のように大失敗したミュージカル映画もあった。

クリームのアルバムはリアルタイムでは英アトコから発売されたが、RSO設立後はそこから再発。『461 OCEAN BOULEVARD』からクラプトンに入ったカナザワが、最初に買ったクリームのアルバムが、上掲の2枚組ベスト『HEAVY CREAM』だった。当時クリームのベスト盤は、コレが唯一だったはず。赤べこもシッカリ右隅に鎮座している。クリームのオリジナル盤を揃えてしまったあとは売ってしまったけど、今回スティグウッド逝去の報を聞いて真っ先に思い出したのは、何故かRSOマークが映えるこの盤だった。

Rest in Peace...