rainbow_on stage
ハード・ロック・ファンには悲しい訃報が続く。初期レインボーで名を挙げ、その後はシン・リジィのギタリストだったブライアン・ロバートソンとワイルド・ホーセズで活躍したジミー・ベイン(b,vo)が急逝した。亡くなったのは24日で、前日はデフ・レパードが主催する "Def Leppard Cruise" 前夜祭に出演。元ディオのメンバーらと組んでいるラスト・イン・ラインで船上パフォーマンスしたばかりで、そのまま航海中に急死したと伝えられる。享年68歳。

カナザワが彼のプレイを聴いていたのは、レインボーとワイルド・ホーセズまで。その後レインボーでの盟友ロニー・ジェイムス・ディオ率いるディオに参加したが、さすがにそこまでは押さえていない。正直言えばジミー・ベイン自身に対する思い入れは薄いのだが、やはりハード・ロック史に残る名盤『RAINBOW RISING』の構成メンバーだったのが大きく、その直後の『RAINBOW ON STAGE』が録られたジャパン・ツアーにも足を運んだ。自分の小遣いを叩いてチケットを買った初めての洋楽ライヴが、レインボーの初来日だったから、この時期のメンバーにはどうしても肩入れしたくなってしまう。

とにかく『RISING』を初めて聞いた時の衝撃は凄まじかった。76年だから、自分はまだ高校1年生。レインボーは1枚目からオンタイムで聴いていたが、予約したアルバムを発売日に取りに行って、まっすぐ家に帰ってステレオに乗せ、高鳴る鼓動を抑えながらゆっくり針を落として…。一瞬の静寂の後、グィ〜ンとシンセが唸り始めて、オオォッ リッチーがギターを刻み始めると、次の瞬間コージー・パウエルのハデなフィルが炸裂して、ドッカ〜ンと曲が始まる。<Tarot Woman>。カナザワ少年は、もう、トンでもなくアガりましたね

それこそ自分の中では、『RAINBOW RISING』とピンク・フロイド『炎(WISH YOU WERE HERE)』が、ファースト・インプレションの衝撃度2大巨頭。生涯一番聴き込んだと思しきエアプレイも、最初に聴いた時はそこまで強いインパクトはなかった。やっぱり一番感受性豊かな10代に聴いた音って、それだけ心に残っているんだな。

…というワケで、ジミー・ベインを偲びながらのレインボー『ON STAGE』。これで当時のメンバー5人は、リッチーとkydのトニー・カレイしか残っていないことになる。今年はリッチーが久々にロック回帰してレインボーを限定復活させるそうだけれど、もはや何の興味も持てそうにない。まもなく発売されるラスト・イン・ラインのアルバムは、10年に亡くなったロニー・ジェイムス・ディオへのトリビュートに加え、ジミー・ベインの遺作になってしまった。

Rest in Peace...