paul carrack_soul shadows
いろいろ懸念ごとも少なくない中、早くも2月。古来の考えに乗っ取れば、立春こそ年の始まりで節分は大晦日だから、好ましくない流れはココでしっかり断ち切りたいものである。そんな時にこんな信頼の歌声に浸れるのが嬉しい。ポール・キャラック、ちょうど2年ぶりのスタジオ・アルバム『SOUL SHADOWS』が到着した。

前作『RAIN OR SHINE』リリース後には、エリック・クラプトンのバンド・メンバーとして来日し、シッカリとヴォーカルを披露してくれたポール・キャラック。自分も半ばそれを目的に、武道館へと足を運んだ。この4月のクラプトン公演にも同行が決まったようだが、やっぱりそろそろポールのソロ・ライヴが見たい。今度クラプトン・バンドへの復帰が決まったアンディ・フェアウェザー・ロウが何度か日本でクラブ公演を行っているのだから、ポールだって…、と関係筋に進言してはみたものの、なかなか実現しないのがツライ。

自分のレーベルを立ち上げてからの彼は、地味ながらも至ってコンスタントにアルバムを作り、持ち前の実直さを発揮して安定感のあるブルー・アイド・ソウル・ヴォイスを届けている。だけど今回の新作は、その中でもトップ・クラスの出来と言って良さそう。目新しいコトなど何もやっていないが、新たに立てた自宅スタジオで、愛息ジャックをドラムに据えて、という制作環境が功を奏したのかも知れない。ゲストにはジェイムス・ブラウンとの活動で有名なピー・ウィ・エリス(sax)。ヴァン・モリソンとの付き合いも深い彼は、現在英国在住なのだそうだ。スクイーズの盟友クリス・ディフォードが作詞を手伝った曲もある。また前作ではレイ・チャールズのカヴァーを2曲取り上げたが、今回はアレサ・フランクリンやザ・バンドで知られる<Share Your Love With Me>(オリジナルはボビー・“ブルー”・ブランド)を一発入魂で。

個人的には、若干ソラミミっぽいメロディながらも、70年代のアイズレー・ブラザーズに通じるようなフォーキー・ソウル・マナーの<Sleep On It>が白眉。メロディカの切ない音が、また哀愁をソソるんだよな。それにモータウン調の<Sweet Soul Legacy>、弦を絡めてシットリ聴かせるバラード<Let Me Love Again>、クラプトン風味の<Too Good To be True>、落ち着いた佇まいで歌われる<That's How I Feel>など、いぶし銀の魅力テンコ盛りの逸品です。