masaki_matsubara2
奇跡は起きなかった…。
来てほしくない日が来てしまった。
既報の通り、日本の音楽シーンの至宝といっても過言ではない名ギタリスト:松原正樹が、2月8日未明、かねてから治療中だった末期ガンのため、亡くなったことが明らかになった。既に家族葬を済ませ、後日都内でお別れ会を催すという。享年61歳。

デヴィッド・ボウイ、グレン・フライ、そしてモーリス・ホワイトと、カナザワの音楽観に少なからず影響を与えた人たちが、まるで申し合わせたかのように続々と鬼籍へ入っている。だが所詮は海の向こうの人々。でも松っつぁんは、もっと身近な存在で…。実際に何度も言葉を交わし、一緒に仕事をしたこともあったから、その分喪失感は大きい。

膨大な数のセッション参加作があるので、思い入れのある曲は人それぞれ だろう。それでもやはりパラシュートの諸作は松っつぁんファンの誰にでもスペシャルな存在だと思うし、ソロ作では『SNIPER』や『PAINTED WOMAN』が人気のはず。その上で個人的に忘れ難いのが、この79年の2ndソロ『TAKE A SONG』だ。…というのも、このアルバムの<Ballerina>が、カナザワが初めて “松原正樹” というギタリストを意識した楽曲だったからである。パラシュートは “音楽はスポーツだ” というワケわからんちんなキャッチコピーで既にデビューしていたが、その時はまだマトモに聴いていなかった。

参加ミュージシャンは林立夫(ds)、後藤次利(b)のリズム隊に、深町純、松任谷正隆、坂本龍一、難波弘之、佐藤博という豪華kyd陣。コーラスには矢野顕子の名前もある。マンタさんや龍一、次利は自作曲も提供していて、次利作<Birthday Party>はマイク・ダンほかが交代で歌うパーティ・ソング。そのノリはまさに<Cocktail Night>だ。件の<Ballerina>はマンタ作の隠れ名曲で、後に松原みきがカヴァーした。

とにかく、これだけよく歌うギターは、日本のスタジオ・シーンじゃ唯一無二。盟友である今 剛がいくら頑張ったとしても、その穴はこれからジワジワと広がっていくだろう。

松っつぁん、ご苦労様でした。そして記憶に残る数々の名演、ありがとうございました。
Rest in Peace...